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変人だらけの武偵高
3話
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、外国人ぽい高く通った鼻筋に、髪と同じ赤くて細い眉。そんな中でも、どこか日本美人のような奥ゆかしさを感じる。
体型こそこぢんまりとしているものの、それはこれからの成長でどうとでもなるだろう。
まあつまり、彼女は掛け値なしに美少女だったという話だ。
「でも」
前置きして、少女はキンジの鼻っ柱に人差し指を突き立てた。
「そういう時は『済まない』じゃない。『ありがとう』がベストよ。OK?」
やたら発音の良いOK? だった。
「オーケー、ありがとな。ええと」
「ああ、そういえば自己紹介がまだだったわね。私は……」
と。
名乗りの途中で、少女ははっと振り返り、キンジの上に覆い被さってきた。
「伏せなさい!」
怒鳴り声の後、少女の頭上を大量の銃弾が通過した。あのまま立っていれば、いかに小柄な少女とて蜂の巣になっていただろう。
キンジは桟橋の向こうに視線を向けた。
先程キンジに並走してきたセグウェイと同型のものが、うじゃうじゃと湧いている。数えると、十五台いることが分かった。
……と。キンジは気が付く。
自分の顔の上に、赤い少女の柔らかい部分が乗ってることに。
(あ、やば)
考える暇もなく、彼の血流が変わった。
「数が多過ぎる……私の銃じゃあの数は捌けないわね。どうにかして逃げましょう。幸い、後ろは海よ」
「……止めた方が良い。こいつは随分狡猾な奴だ。こんな分かりやすい逃げ道に何の対策も打ってないはずがないからな」
「まあ、それには同意しておくわ。なら、どうするつもり? 二人なら正面突破も出来なくはないだろうけど……圧倒的に不利よ。遮蔽物もないし」
「いや、俺だけで良い。アンタはここで待機してな」
「……頭でも打った?」
少女の訝しげな視線がキンジに突き刺さる。
そんなことは気にも止めず、彼はおもむろに立ち上がった。
「ちょっと、危ないわよ! 伏せなさい!」
「あんなへなちょこ玉、この俺にあたりゃしないさ」
「あなた本当にどうしたの? まさか、打つ人?」
打つ人、とは戦闘中、薬物で集中を高めたりする人種のことだ。少女はどうやら、人が変わったキンジを見て、危険な薬物を服用したものと勘違いをしたらしい。
が、日本の武偵は基本的に薬物使用は禁じられている。当然、そんな事実はない。
「いや……今日のラッキータイムだ。アンタのお陰で美少女成分満タンだぜ」
「何言ってるか分かんないんだけど……」
「さっきも言ったろう。あの鉄くず共は俺が一匹残らず掃除するから、アンタは下がって茶でも飲んでなってことさ」
キンジは左のホルスターからベレッタを。右のホルスターから、もう一丁の愛銃、デザートイーグルを抜いた。
と、同時に、駆ける。
相手が銃弾をばら撒いてこようがお構いなしに、走って走って走る。
彼に向けて放たれた銃弾は
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