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愛しのヤクザ
第四章 パチプロ
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の節は、本当に申し訳ありませんでした。ちょっと苛苛してたもんですから。それに、まさか女だなんて思いもしなかったし」
林田が
「何が、あの節は、ですか、気取っちゃって」
と、ちゃちゃをいれようとしたが、またしても肘で打たれて顔をしかめた。女が言った。
「もういいですよ、あの時のことは、私も言いたいことは言ったし。フロントの女性に言わせると、私のその一言が、相沢さんをすっごく傷つけたって言っていたから、いずれ私の方から謝ろうと思っていたの。もっとも彼女辞めてしまったみたいね」
 鵜飼則子は全てを知っていた。ハッピを着たくなかったことも、プライドを捨てきれない相沢の弱さも。じわっと目頭が熱くなり、切ない思いが胸を締め付けた。林田は相沢の様子に気付き、しんみりと言った。
「久美子、課長さんは、その彼女に惚れていたんだ。それがいなくなっちゃったもんで、もう、悲しんで、悲しんで、飯も喉に通らねんだ。見てる俺っちも辛くてさあ。まあ、時間が解決するのを待つっきゃねえ。」
しんみりとした顔のまま、何気ない風をよそおい、続けた。
「ところで、課長、俺もずっと気になっていたんだけど、といっても、まあ、林ほどじゃねえけど……いっぱつくれえ、やらしてもらったん?」
相沢は拳でボディをくれてやったが、林田はそれを避けて笑いながら逃げていった。林田の後姿を見詰めながら、女が言った。
「林田君、ちっとも変わらない。小さいときのまま。彼とは小学校から高校まで一緒。幼友達よ。そうそう、私、吉野久美子。よろしくね。ここ、もう三度目。これからも利用させてもらうわ」
 相沢は怪訝な顔で久美子を見た。林田と同じ年であれば30歳。とてもそうは見えない。二十代前半くらいかと思っていた。突っ張ってはいるが、どこか幼さが残る顔立ちだ。久美子は相沢の不思議そうな顔に気付いたのか、笑みをうかべてた。
「もしかしたら、もっと若いと思っていたの?そうだったら嬉しい。でも、本当は30歳、もうオバンよ。そろそろ焦らないといけないって思いはじめたところ。相沢さんはお幾つ?」
「もう32歳だ。どうも女に縁がなくて。それより、いつも、あんなにスピード出しているの。追い付こうとおもったけど、とても無理だった」
「まあね、それっきり趣味がないから」

 その時、後ろで怒鳴り声が響いた。振り向くと、林とお客が睨みあっている。怒鳴ったのはお客の方だ。相沢は会話を中断して二人に近付き、そのお客の横顔を見て、何度も問題を起こしている例の奴だと気付いた。相沢が話しかける。
「誰かと思ったら、また貴方ですか。何度、騒ぎを起せば気が済むんです。しまいには、出て行ってもらいますよ」
「何を言っているんだ。今回は、俺は悪くない。こいつがいきなり俺を突き飛ばしたんだ」
にこにこして林が答える。
「何が悪くないだ
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