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神々の黄昏
第一幕その十五
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な神」
「私は貴方を手に入れる為に来た」
「私にこの罰を、侮辱と痛恨の罰を」
 そしてさらに言う。
「それが私への報い・・・・・・」
「では私と共にだ」
「いえ、私は」
「嫌だというのか?」
「誰も私に近付くことはできない」
 こう言ってあくまでグンターの姿のジークフリートを拒もうとする。
「そう、誰も」
 そしてだ。その左手を拳にして見せる。指輪をである。
「この指輪がある限り」
「指輪が」
「この指輪が見える筈、この指輪が」
 結婚の証だという。しかしであった。
 ジークフリートはその指輪を見てだ。さらに言うのだった。
「私はそれも手に入れる為に来たのだ」
「何っ!?」
「ニーベルングの指輪」
 その名前さえ言ってみせたのである。
「それをだ」
「何故、それでは」
「貴女と指輪を手に入れる為に」
 こう言ってまた一歩前に出た。
「私はここに来たのだ」
「それでは。私は」
「さあ、今こそ」
 ジークフリートの言葉に絶望するブリュンヒルテの手を取り。彼は高らかに言った。
「友への忠誠の為に」
「恐ろしい運命、何という・・・・・・」
 ブリュンヒルテは絶望するばかりだった。その彼女を引いて今彼は山を降りるのだった。

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