暁 〜小説投稿サイト〜
幻の月は空に輝く
暗闇の中の出来事・3
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だみたいだけど、私の意識は混濁中で何も答えられない。

〈イタチ。今ランセイが告げた言葉の意味を考えておけ〉

 頭が揺れたと思ったら、傾く私の身体。それをテンが尻尾で包み込んでくれた。

〈10分程で意識を取り戻す。その後の話し合いが終わるまで、擬装しておいてやる。暗部が10人。我に化かされているとは気付かず、見張っている気になっている。忍の質も下がったな〉

 私の身体を大事そうに尻尾で包み込みながら、イタチにこれからどうしたいのかを叩きつける。
 イタチやサスケにしてみたら、さっきまでの私が気になって仕方ないのかもしれない。今は、いつもの私がテンの尻尾に包まれて眠っているけど、倒れる直前の姿は20歳ぐらいだった。
 そんな姿を見て、しかも9つの尻尾を持つ銀の狐に護られている私を不思議に思わないはずがない。
 尾は9本だが、ナルトの身体に封じられた九尾とは違う九尾の狐。

「ん」

 ぼやけていた周りの風景が、段々はっきりと見えてきた。
 途中記憶がない。何を言ったんだっけ。

「テン。どうなった?」

 テンのふわふわもふもふな尻尾をベット代わりに眠っていたみたいで、どのぐらい時間が経ったのだろう。キョロキョロと辺りを見回し、サスケとイタチの姿を確認した。
 良かった。イタチがまだいた。

「ラン?」

「イタチさん…」

 若干緊張しているイタチを、私はジッと見つめた。

「……さっき言った事は本当か?」

 テンの尻尾は相変わらず私を包んだまま。

「本当。嘘じゃない」

 眠たい。本当にものすごく眠い。でも話をしなきゃいけないと、目をこすりながらイタチを見た。

「でも、行動を…これから暁に行くと思うが、そのまま暁に潜り込んで欲しい。サスケはイタチさんを憎んでるフリをしてほしい」

 なるべく、流れは変えたくない。物語から外れると、私の持っている情報が役に立たなくなる。

「ラン……でも兄貴は皆を……父さんや母さんを」

 握り拳を作ったサスケの声は震えていた。

「今は話せない。けど、一族の無事は俺を信じてとしか言えない」

 ギリギリだけど皆助けられたと思う。ナルトの両親は魂に傷を負ってしまったから、未だに傷が癒えずに眠りについているけど、うちは一族はそこまで掛からずに癒えると思う。
 絶対にばれない亡骸のダミーをテンに用意してもらっているから、それも大丈夫だと思う。真実を口にしてしまえば、その時点で癒しが止まってしまう。
 だから、これは口に出来ない。言葉を発した時点で終わり。

「イタチさん。サスケ。お互い話せないこともある。それでも、手を組んでほしい。里を騙す事になっても」

 私は手を差し出した。この後の選択は2人次第だ。緊張で表
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