十四話
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意識を全身から展開中の鋼糸の方に移す
展開されている百を超える鋼糸の全てに剄を巡らし、神経の延長の様な感覚を得る
緩く流れる風、周囲の木々を感じ取りながらより一層意識を集中する
(ここから、筋肉の一部の様に……)
そもそもがリンテンスが使っているところを見て始めた鋼糸。教えてくれる師がいないため、四苦八苦しながらレイフォンは使い方を覚えた
元々、武器を神経の延長の様に感じる手ごたえはあったが、そこからが大変だった
思う様に動かせない鋼糸、数が増えれば途端に制御がこんがらがる。何度も試し、かつて見た剄の流れを思い出して探り、神経だけでなく筋肉の様にするのだと暫くして気づいた
そうして今、この数までになった
(筋肉の様に、腕の様に意識して……)
こうして熱を入れているのも先日の戦いがあったから
あの時、武器に出来ないにしても補助として使えていたならば、もっと善戦で来ていたはず。宙に浮けば動くことが出来ないが、これが使えていれば足場としても使えていたはず。だからこそ、少しでも使えるようにと鋼糸を動かす
空いたブランクを埋めるため、少しでも早く慣れるために肉体的な感覚を閉じ、鋼糸の制御にだけ意識を使い体の一部となるように意識する
徐々に動きが良くなっていくにつれ、少しずつ操る鋼糸を増やしていく
只々、動く鋼糸にだけ意識を割いて世界を感知する
「レイフォン、寝ているのか?」
だから、その気配に気づけなかった
「????え?」
不意に聞こえてきた声に目を開けば鋼糸の範囲内、そこにニーナの姿がある
なぜ? その思いの答えが出る前に不意に掛けられた声に体が、筋肉としていた鋼糸が反射的に反応してしまう
そうしてやっとニーナの剄が弱いこと、殺剄を使っていることに気づく
意識の全てを鋼糸に移し、肉体面での情報を意識的に閉じていたこと。そしてレイフォンは知らぬことだが、レイフォンが寝ていると思いニーナがかつてよりも精度の上がった殺剄をしていつも通りに、敵意などの害意ゼロで近づいてきたが故にレイフォンは気づくのが遅れてしまった
殺剄を使い、剄の強化が弱いニーナに反射的に動いた鋼糸が向かうのを必死で止めようと動き????
「?????あ」
????直後、鮮血が舞った
「本当に大丈夫か?」
「ええ、なんとか……。血は止まりましたので、大丈夫だと思います」
「気をつけなきゃだめだよ。痛むようなら病院に行った方が良い」
鋼糸で切り裂かれ、血が流れ出た腕をニーナに包帯を巻かれながらレイフォンは返事を返す
あの後、なんとかニーナを避けて回収することは出来たが、代わりにレイフォンは腕を切り裂いた
血は流れ、一瞬
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