十四話
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「政治関係はD、食糧関係はBに収めろ。つーかいい加減に覚えろよお前!」
「データに関してはバックアップを取ってラベル化、写真に関しては感光対策を施した上で。食糧関係については品目をリスト化するだけでまだ後回しだ」
「向こうの連中のとこ行って一回まとめっぞ! 誰か連絡して来い!」
「と、いうことだからエリス頼んだ」
「あのー、すいません。誰かいますか?」
「言われずとももう端子を飛ばしましたよシン。そういえば先日の件ですが……誰か来たようです」
「ん? ……ああ、アントーク家のお嬢さんか。久しぶりだね、何か用かな?」
「お久しぶりです。いえ、その……レイフォンはいますか?」
何となく気晴らしに街に出た後、少し早いが偶には迎えに行くかとキャラバンに着いたニーナをシンラが迎える
ニーナはこの数か月、何度かこのキャラバンに訪れたことがあったが、いつもとは違った慌ただしさに少し興味と居辛さを感じてしまう
そんな様子に気づいたのかシンラが朗らかに答える
「レイフォンなら少し前に君の家の方に向かったよ。行き違いになったようだね。それと、今は色々と集めた物をまとめてるんだ。もう片方にいる仲間と定期的に情報を合わせているんだ。といっても、好き勝手に行き来するから対して違いはないけどね」
「そうなんですか。……旅は楽しいですか?」
「うん?」
何度か来た際に聞いた他の都市を話すときの嬉しげな様子、今日の様に慌ただしくもどこか楽しげな様子を見て不意にニーナは言葉を零す
ニーナ自身意図せぬうちに言ったのか、言った自分に少し驚きながらもなんとか続ける
「その……あなた達の話はいつも楽しげですし、他の都市を回るというのはどういったものなのかと思いまして」
「……そうだね。大変なことも多いけど楽しいよ。よければそこら辺にでも座って」
戸惑いながらも言ったニーナの言葉に何か思ったのか、シンラはニーナに座るように進め、口調を柔らかくし何かを懐かしがるように口を開く
「前に言ったと思うけど、僕はまだ知らない物を見たかった。知識でしか知らない物に触れたかった。けど、その為には障害もあったからそのためにも色々と頑張りもしたよ」
「大変でしたか?」
「うん。仲間集めに情報の売買、前は肉体労働なんかもした。でも、それらはまだ大変でもそこまで苦にならなった。実際に目標に繋がる行動だからね。そんなことよりも一番辛かったのは親の説得だった」
「親の……」
「うん。僕の両親は僕が自分たちの後を継ぐか、そうでないにしても都市の中で生きると思っていた。だから僕が自分のやりたいことを告げたら怒られたよ。『馬鹿なことを言うな!』ってね。それでも必死に説得し、なんとか許してもらったけどその後が一番大変だった。
……エリスを連れて
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