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神々の黄昏
第一幕その十二
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くなる。
「私に指輪を。さあその為に進むのだ、ニーベルングの息子である私の為にだ」
 こう呟きながら自分の椅子に座る。そのうえで瞑想に入る。彼は今不気味な闇の中にいた。
 ブリュンヒルテは今は岩屋に一人いた。そこに誰かが来た。
「あれは」
 天から馬を駆って来る。それは彼女がかつてよく知った者だった。
「ワルトラウテ」
「姉さん、まだここにいたのね」
「懐かしいわね」
 ワルトラウテを見て懐かしさを込めた笑顔を見せた。

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