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デート・ア・ラタトスク
別世界へ…
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―――それはある出来事によって始まった。

「う〜……」

その日の寝起きは最悪だった。なぜかと言うと、燕尾服を着た黒豹テネブラエが寝ているエミルの体を踏んづけていたからである。エミルは目を擦りながら、低くうなるような声を発する。

「テネブラエ、重いからどいてよ」

「ああ、これは失礼しました。おはようございます、エミル様」

先ほどの行動とは思えないほどの礼儀正しい挨拶をしてから、テネブラエはベットから降りる。

「テネブラエ。一体、僕に何のようなの?」

「実は……折り入ってミル様に頼みたい事があるのです」

「頼みたいこと?」

「詳しい話は異界の扉の方で話します。マルタ様も来ますので、それでは」

テネブラエは深い闇に包まれながら消えていった。そして、エミルは手早く準備を済ませ、異界の扉に向かった






――――――――――――――――








異界の扉に着くと、そこにはエミルの恋人マルタとテネブラエがいた。

「エミル!会うのは久しぶりだね!!」

「マ、マルタ…急に抱きつかないでよ〜///」

マルタはエミルに思いっきり抱きついて頬ずりすると、エミルは頬を赤く染めながら照れる

「ラブラブなとこをすみませんが、話をしてもよろしいでしょうか」

テネブラエに言われると、マルタはエミルから離れた後、ぷく〜と頬を膨らませた

「……さて、話なのですが……実は私達センチュリオンの力が何者かのせいによって力が半分失ってしまい、力が思うように出ず、魔物にマナを運ばせる作業がほとんど出来ないのです……そこでお二人にお願いがあります」

そして、テネブラエは二人にはっきり聞こえるように言う

「お二人には別世界に行って、私達の力を取り戻してもらいたいのです」

エミルとマルタは面を喰らったような顔で驚く

「それって私達にしか出来ないってこと?」

「はい。エミル様と私が私達の力を吸収した者から取り出して、その力を結晶化したものを、マルタ様が解放させればいいのです」

「う〜ん……協力してもいいけど…」

「でも、その前にどうやって別世界に行くの?」

エミルがテネブラエに質問すると、すぐに返答は返ってきた。

「この異界の扉を使って行くのです。私達、センチュリオンとリヒターが協力して、何とか別世界に行ける扉が出来ました。行く準備は整っていますね?」

テネブラエは『ウォ―――――ン……』と遠吠えを上げると、異界の扉が激しい光を放つ。

「さぁ、これで別世界に行けますよ。行きましょう(がくがく)」

「じゃあ…エミル。離れないように手を繋ごっ♪」

「あ……う、うん」

エミルとマルタは手を繋いで
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