暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第18話 もう1人の少女
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いった。
「ああ、リュウキは何処に?」
確かに10時まではまだある程度は時間がある。だが、今からダンジョンに言ったり、フィールドに行ったりする程の時間は無い。故に出来る事は限られてくる。
「……ああ、回復アイテムを揃えにだ。……そう言えば随分前に切らしていたのを忘れててな」
リュウキは、そう言うと、この場所から離れていった。正直、結構衝撃発言だったと思えるキリト。
「……はは。やっぱり、アイツはありえないな」
キリトはその後姿を見送ると、苦笑いをしていた。このゲームがデスゲームとなって1ヶ月。この世界でHPが無くなれば、その先で待っているのは死。それが絶対条件だった。
ならば、HPを回復することが出来るポーション等、回復結晶等のアイテムは文字通り生命線だ。それなのに、彼は……リュウキはこう言っていた。
『随分前に切らしていたのを忘れてた』
腕に自身がある者は、確かに必要最低限の道具だけで十分と言うが、今の状況を考えると突出しすぎだと思える。だが、キリトは、あの男についてはよく知っているつもりだ。自分もソロ中心だが、彼とは何度も会い、βテストの時はパーティも組んだ。別に今更アイツが何をしたとしても驚かない。
そして誰よりも頼りになる男なのだ。
「………彼はいったい」
離れていた彼女がキリトの傍にまで来ていた。彼女も彼の言葉を聞いていたんだろう。ありえない行動の裏に隠されたものを見極めようとして……。
「……大丈夫。かしら………」
僅かに震えてそう言っていた。『大丈夫か』と言う言葉をさしているのは恐らくリュウキと一緒にいたプレイヤーの事だろう。
「大丈夫さ。アイツはシャイな男だが、腕は超が付くほどの一流。この世界でもトップクラスだと思ってる。……紛れもなくな。そして、約束を違える様な男でもないさ」
キリトがその男を見る目は憧れも有り、目標でもあるような瞳だった。いつかは追いついてみせる……そう言わんばかりの目だった。
「………そう」
彼女は俯き……そして 再び離れていった。去っていく彼女の方をキリトは見た。
視界の端に表示されている彼女のHPバーの隣にある名前。
――……その名前はAsuna。
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