暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第18話 もう1人の少女
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略に挑むが、それでも個々の情報の全てを提示しなければならない事はない。
 だから、リュウキはそう返した。

 でも、本当の理由は、今日のレイナの姿を見ていたからなのかもしれない。どうするのが正解なのか、リュウキには判らないから。

「ッ……」

 リュウキの言葉を訊いて、彼女は何も言えなかった。
 
 暫く沈黙した後に、漸く掠れた声で、言葉を絞り出す事が出きた様だ。

「ねぇ……。あの子……私のこと……怒ってた……? 私を、嫌ってた……?」

 彼女はそう聞いていた。その声から察する。今にも泣きそうな声だった。直接会いにいけないところを見ると、この人物もレイナと同じ心境なのだろう。

「…………」

 リュウキは、答えない。
 これは互いにすれ違った結果のようだ。この彼女が思っているのとはまるで正反対なのだから。

「それは自分で聞けばいい……。本人もそれを望んでいる。……お前の思っているような事は無いと思うぞ」

 リュウキは……そう答えた。自分で聞けと言っているが、もう既に答えを教えてもらったようなものだった。

「っ………」

 彼女は再び言葉を詰まらせた。

「今日までに、心を決めるとも言っていた。……それ以上は何も言ってなかったな」

リュウキがそう言うと。

「わかった………。ありがとう」

彼女は頭を下げていた。

「後……お願い。守ってあげて……彼女を……」

最後に震える声で懇願をした。その言葉を聞いてリュウキは頷く。

「……ああ。パーティを組んだ以上は仲間だ。やるよ」

少し、その声からぶっきらぼうに聞こえるんだけど、何故だか判らないけれど、心強くも聞こえてきた。初めて話をする人なのに、と彼女はそう思っていたのだ。

「ありがと………」

 最後に礼を一言いうとそこから離れていった。


「互いに大変だな。」

 リュウキはキリトに苦笑いをしていた。どうやら、互いに似た様なパートナーとパーティを組んだのだから。……格好も似た様な相手かと思えば関係者だったから。

「ああ……アイツも強い決意で《はじまりの街》から出てきたって言っていた、……守りたいとも言っていた。そして、後悔もしているともな」

 どうやら、キリトもある程度は話を聞いていたようだ。今回の事、十中八九はあの子の為だと言うことだろう。

「……優しいな」

 リュウキはふっと浮かび上がった言葉を言っていた。別に考えていった言葉じゃない。キリトの姿を見て、訊いて 不意に言葉が出てきたのだ。

「え?」

 キリトはこちらを向くが、直ぐにそっぽ向く。

「今日のAM10:00だ。……遅れるなよ」

 リュウキはそう言うと、立ち上がって歩いて
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