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SAO編−白百合の刃−
SAO10-白の剣士
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 おでこに手を与えていると、ロザリアさんの喚きに勢いづいたように、オレンジプレイヤーの先頭に立つ大柄な斧使いも叫んだ。

「そ、そうだ! 攻略組なら、すげぇ金とかアイテムとか持っていそうだしな! おいしい獲物じゃねぇかよ! しかも、意外と美人だしな!」

 口々に同意の言葉を喚きながら、先ほどの怯えが無くなり賊たちはヘラヘラと笑みを浮かべ、一斉に抜剣した。
 意外と美人って……意外はいらないから。

「キリカさん……無理だよ、逃げようよ!!」

 シリカったら、まだそんなこと……不安なのはわからなくないが、どうやったら安心するだろうな。
 直接伝えればいいか。

「大丈夫だって」
「大丈夫じゃありませんよ!」
「大丈夫!」
「大丈夫じゃありませんって!」
「頑固だなー、大丈夫ったら、大丈夫なの!」
「どうしてキリカさんはそんなに自信満々に言えるんですか! キリカさんがいくら強くでも人数が多すぎて敵わないって思わないのですか!?」

 相手は十人の殺しに躊躇しない非情のオレンジプレイヤー。確かに普通なら人数的にも相手的にも大丈夫じゃないよね。
 普通ならね。
 シリカは私のことを心配して、言ってくれている。私が死んでないからそう言っているんだ。

「ねぇ、シリカ。普通の常識と、最悪な結果と、私の根拠ない自身満々。どれを信じる気なの?」
「え……」
「真面目に答えてほしいな」

 この状況でも、相手が襲ってこないのはまるでヒーローのお約束で助かる。
 つまり向こう側のオレンジプレイヤー集団は“確実に勝てる”と思っているからだ。
 シリカは悩み続け、思考が表を出すように頭を左右に揺らし、涙目になりながらも強い眼差しで答えを出した。

「キリカさん……ですっ!」

 その答えがとても嬉しかったのか、自然に笑ってしまう。
 こんな危機的な状況でもね……。
 
「ありがとう、シリカ」

 さて、その答えが正解になるように、心の痛みを知らない者達を牢にぶちこめてやりましょうかね!

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