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SAO編−白百合の刃−
SAO10-白の剣士
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馬鹿って言ったこと否定するわ。情報収集は大事って言ったけど、ロザリアさんバカじゃないの?」
「負け惜しみかしら?」
「そうじゃないよ。私はシリカのために一緒に行動しているだけなんだから、ロザリアさんが関わってくるかなんて関係ない……って、言ったら嘘になるんだけど。私、貴女に会いに来たんだから」
「……どういうことかしら?」
「覚えているかな? いや、覚えてほしいんだけど。十日前に、三十八層で『シルバーフラグス』って言うギルドを襲ったよね。メンバー四人が殺され、リーダーだけが脱出した」
「ああ、あの貧乏な連中ね」

 ロザリアは髪の毛を指で巻きながら退屈そうに口にした。
 覚えてほしいって言ったけど、そんな風に見えているなら覚えないで欲しかったな。 

「リーダーだった人はね、毎日朝から晩まで最前線のゲート広場で泣きながら仇討ちをしてくれる奴を探していたみたいなの。きっと仲間を殺した人達が死ぬほど憎いんでしょうね。でも、その人は依頼を引き受けた私に向かって、ロザリアさん達を殺してくれとは言わなかった。私は何度も問いかけたよ。本当にそれでいいのかってね。でも、彼は黒鉄宮の牢獄に入れてくれと、頑なに頼んできた。ロザリアさん……彼の気持ち解る? 仲間と同じ目に合わせようとせずに、牢屋に入れてくれとお願いしてきた彼の選択した気持ちも」
「解んないわよ」
「でしょうね……………わかっているなら、もうこんなことしないもんね。なんかわかっていても、失望するよ」

 私の言葉に、気に障ったのか、ロザリアさんは面倒そうに答えた。

「何よ、マジになっちゃって、バッカみたい。ここで人を殺したって、ホントにその人が死ぬ証拠ないし。そんなんで、現実に戻った時に罪になるわけないのよ。だいたい戻れるかどうかも解んないのにさ、正義とか法律とか、笑っちゃうわよね。アタシそう言う奴が一番嫌い。この世界に妙な理屈持ち込む奴がね」
「別に平気で犯罪を起こす人に好かれたくないよ。私も今のロザリアさん、好きじゃないし。妙な理屈じゃないと思うけど、ロザリアさんは知らないのね」

 負けずとは言わないけど反撃したら、ロザリアの目が凶暴そうな光を帯びる。

「で、あんたはその死に損ないの言うことを真に受けて、アタシらを探していたわけだ」
「えぇ、真に受けたわよ」
「ヒマな人だねー」
「おかげで、ロザリアさんを牢に入れることが出来るよ」
「……ふん、減らず口めが。ま、あんたの()いた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるわ……でもさぁ、二人だけでどうにかなると思っていんの?」

 唇がキュッと嗜虐(しぎゃく)的な笑みを刻み、あげられた右手の指先が素早く二度宙を(あお)いだ。
 途端に向こう岸へ伸びる道の両脇の木立が激しく揺れ、次々と人影を
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