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SAO編−白百合の刃−
SAO10-白の剣士
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か……それなのに、なんで……」

 シリカの言いたいことはわかる。呆然として掠れた声に疑問を訊ねる理由もわかっている。単にシリカは知らないだけなのだ。
 オレンジカーソルになってしまう原因の一つとして、盗みや傷害に殺人と言ったシステム上の犯罪をしたプレイヤーは通常のグリーンからオレンジのカーソルに変化する。
 犯罪者をオレンジプレイヤーと呼び、犯罪者の集団はオレンジギルドと通称する。
 ここまではシリカも知っているはず。だけど、彼女はオレンジじゃなくグリーンなのにオレンジギルドの一員。
 オレンジに変わるのは“システム上の犯罪”を行ったプレイヤー……つまり。

「やり方次第では、オレンジに変わらずグリーンのまま犯罪だって起こせるのよ。特にオレンジギルドは、全員がオレンジカラーじゃない場合も多い」
「じゃ、じゃあ……ロザリアさんはどうやって」
「例えを出すなら、グリーンのメンバーが街で獲物をみつくろい、パーティーに紛れ込んで、待ち伏せポイントに誘導して、味方のオレンジプレイヤーがパーティーを全滅させるとかね。それと、昨夜私達の話を盗聴したのも彼女の仲間よ。それもグリーンカーソルを持つオレンジプレイヤーのね」
「そ、そんな……」

 シリカは愕然としながらロザリアの顔を見る。

「じゃ、じゃあ……この二週間、一緒のパーティーにいたのは……」

 シリカの問いにロザリアは毒々しい笑みを浮かべて言い放った。

「あのパーティーの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりとお金が貯まっておいしくなるのを待ってたの。本当なら今日にもヤッちゃう予定だったんだけどー……」

 シリカの顔を見つめながら、ちろりと舌で舐めていて言葉を続ける。

「一番楽しみな獲物だったあんたが抜けちゃうから、どうしようかと思っていたら、なんかレアアイテム取りに行くって言うじゃない。『プネウマの花』って今が旬じゃん。だからとってもいい相場なのよねー。やっぱり情報収集は大事よねー」

 なんとも、まあ……オレンジギルドが考えそうな狙いね。
 ロザリアはそこで言葉を切って私に視線を向けては肩をすくめた。

「でもそこのお譲ちゃん、そこまで解ってながらノコノコその子に付き合うなんて、馬鹿? それとも本当に体でたらしこまれちゃったの?」
「っ……この!」

 シリカが短剣で抜こうとしたので、肩をグッと掴まえて静止させた。

「馬鹿? そうかもね」
「開き直っちゃったのね。見た目が馬鹿っぽいもの」
「うっさい」

 余計なお世話だよ。もっとも、犯罪をするような人にバカって言われても……ムカつくわね。どっちにしろバカって言われるとムカつくのね。
相手がどうしようも相手だとしても。
 よし、訂正しよう。

「やっぱ、ロザリアさんが
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