SAO編−白百合の刃−
SAO10-白の剣士
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あとは小川にかかる橋を渡って、街道を一時間歩くだけだと思い始めた時だった。
「キリカさん?」
不意に私が立ち止まったことが気になって、シリカは振り返って近寄ってきた。
「……シリカ。最初に謝る……ごめんなさい」
「え、キリカさん?」
「今から怖がらせてしまうかもしれない。でも、大丈夫。必ず、ピナと絶対に会えるから」
大丈夫。
全て終わる。
私は道の両脇に繁る木立に視線を移した。
「隠れてないでさ、出てきたら? いるのわかっているよー」
「え…………!?」
緊迫した数秒が過ぎたあと、不意にがさりと木の葉が動いた。
プレイヤーを示すカーソルはグリーン、“犯罪者”ではないが見知った顔の持ち主。エナメル状に輝く黒いレーザーアーマーを装備し、片手には細身の十字槍を携えている……派手な真っ赤な髪の女。
「ろ、ロザリア……さん……!? なんでこんなところに……!?」
動揺するシリカの問いには答えず、ロザリアさんは唇の片側を吊り上げ笑った。
「アタシのハイティングを見破るなんて、なかなかの索敵スキルね、お譲ちゃん。あなどっていたかしら?」
「言ったでしょ。見た目で判断しないほうが良いって。索敵は鍛え上げても無駄じゃないから、こうして貴女みたいに隠れていることを見つけられるんだよ」
「ふ〜ん、物好きよね」
私の返答に軽く足らうように答え、視線をシリカに移す。
「その様子だと、『プネウマの花』をゲット出来たみたいね。おめでと、シリカちゃん」
ロザリアさんはシリカに対して頬笑み、祝賀の言葉を与えてきた。だけど、違和感ある笑みに素直に嬉しいとは思わなかった。
真意が掴め……なくはないか。少なくとも、おめでとうを言うだけで終わる人ではない。
その嫌な感じは予想通りに当たった。
「ではさっそく、その花を渡してちょうだい」
「……!? な、なにを言っているの……」
その発言は裏切らない言葉で、シリカを絶句させた。
「ロザリアさん。使い魔なんていないでしょ? これはシリカにとって必要な物なの」
「あら、貴女には関係ないことでしょ? それにアタシだって必要な物なのよ」
シリカが使い魔であるピナが消滅したことを知ってもなお、『プネウマの花』が必要な理由は、ロザリアさんみたいな人だったらこれが一番だろう。
「やっぱり狙いは金?」
「どうかしら?」
「いやいや、ビーストテイマーじゃない貴女なら金しかないでしょうよ。犯罪者ギルド『タイタンズハンド』のリーダー……ロザリア」
「え……」
私はロザリアさんの正体を口にすると、シリカは呆然と驚いた。
「え、で、でも。ロザリアさん、グリーンじゃないです、
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