SAO編−白百合の刃−
SAO9-妹との距離
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夢を……見たような気がする。
相手の顔は霧のように白くぼやけていて認識でき無かったが、小柄な少女と口論していたのはなんとなくわかった。なんだか懐かしく思える、乱暴な言葉遣いで相手をぶつけていた。
なんで、顔が見えない相手に、こんなにも理不尽に怒りを抱いて、責めているんだろう。
なんで、顔が見えないはずなのに、彼女は泣きそうな表情しているって認識できるのだろう。
そもそも、なんで私と彼女とで口論しているんだろう何か気に食わないことでもあったのかな?
答えを探そうとしても、口が勝手に相手をぶつけさせ泣かせてしまう。やめてほしいと頭ではわかっていても、口では全くわからず感情のままに相手をぶつけてしまう。
あぁ……そうか……そういうことか。
なんというか、マンガ・アニメみたいなベタな展開だなぁ……。
でも、頭でしか理解してないから口に出す言葉は何も変わらない。わかっていれば、目の前にいる彼女とは口論しないで謝罪
ごめん、ごめんなさい。何度でも謝るから、お願いだから、もう泣かないで。全部、私が悪いんだ。私の身勝手な理由を八つ当たりしているだけなんだ。私が何もわかっていないだけなんだ。
そんな私を許せとは言わない。だけど、お願いだから泣かないで笑ってほしい。
す、ぐ…………。
●
「キリカさん、朝ですよ!」
「う〜ん……あと、にじゅうじかん……」
「長いですよ!」
シリカに起こされた私は昨夜のことを思い出し、そのまま放置してしまったこと、部屋に戻さなかったことを謝った。
シリカも「ごめんなさい、ベッド占領しちゃって……」と、寝てしまったことを謝ってきた。
お互いさまと言うことで終わり、改めて朝の挨拶を交わしたら朝食をしっかりとってから、転移門へ移動した。
「さて、四十七層。思い出の丘へ挑戦よ!」
「はい! あ……あたし、四十七層の街の名前、知らないや」
「じゃあ、私が指定するね」
シリカの手を握って、目指す所への場所を口にした。
本番とまでは言わないけど、変に失敗することはできない。ここで失敗したら、シリカは絶望してしまうだろう。そんな想いをさせないためにも頑張って、ピナを蘇生できるようにしよう。
「転移! フローリア!」
声を上げると同時に眩い光が広がり、私とシリカを覆いに包んだ。
●
「到着っと……」
「すごい」
「ここがフローリア。通称『フラワーガーデン』よ」
四十七層主街区ゲート広場は無数の花で溢れていて、円形の広場を細い通路が十字に貫いてそれ以外の場所はレンガで囲まれた花壇となっている。
街だけじゃなくて フロア全体が花だらけ、チューリップにバラにデイジーやたんぽぽに椿に菫や百合とか矢車草など
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