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SAO編−白百合の刃−
SAO9-妹との距離
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わからないけど、仮にこの世界が偽物だったと認識してしまい、死を現実のものとして受け止めることが出来なくなってしまうかだそうだ。
 それをシリカは知っているのを承知で言っているのかは、知らないけど……気になってしまったから私に訊いたんだろう。
 他の人に過去話なんて早々にないからな……変な緊張がする。

「妹のことなんだけどさ、実は……妹とは…………仲悪いんだ」
「えっ……」
「いや、妹が私のことを嫌っている」

 私はぽつりぽつりと妹のことを話し始めた。

「家族構成は私と双子の兄と妹……家族じゃないけど、従姉が遊びに来るから姉も一応はいる。あとは母に父といった、至って普通の家庭に聞こえるのだろうけど、私達双子は親と妹の血が繋がっていないんだ。血が繋がっている家族は兄だけ。だから本当は妹じゃなくて、従妹」
「妹さんは知っているんですか?」
「どうだろう。妹が生まれた時から一緒に育ったから、向こうは知らないはず。もしくは知っているけど言わないで黙っているかもしれない。さっきも言った通り、仲悪いからそう言う話はしなかったよ」

 言っていて思ったことがあった。例え妹が私と兄が本当の家族じゃないって知ったところで何も変わらないだろう。変わるとしたら、妹はより一層私のことを嫌いになるだろう。無事に帰ってきたところで妹は私のことなんてお姉ちゃん扱いはされないわね。
 それもこれも、自分のせいで返ってくるものだ。因果応報ね。
 そのせいで、色々と失ったものもあるんだ。そう思うと、本当に自分がどうしようもないガキなんだ。

「私ね……つい最近まで、す―――ごく、口が悪かったんだよね」
「えっ?」
「うーん、一言で言うと……不良かな?」
「ええっ!? ふ、不良だったんですか!?」
「あ、やっぱり驚いちゃう?」
「だって、キリカさんが不良だなんて、想像できませんよ」
「……そっか」

 兄にも、クラインにも「お前変わりすぎだ」って言われていたけど……そんなに昔酷かったのか?

「でも、昔の私はそうだったんだよ……」

 いや、酷かった。
 昔の自分は……ただの強がりを振る舞う、どうしようもないガキだった。

「子供の頃から、私は口が悪かったと言うか、ガキっぽいと言うか、荒れていたと言うか、とにかく男ぽくて、怒りっぽい感じの性格だった。実はさ、妹とは最初から仲が悪いことはなかったの。それなりに仲は良かった、と思うんだ。それが狂い始めたのは、私が中学生になった時だった。たまたま、私は血が繋がっているのは兄だけだということを知ってしまった。そのことを知った私は、怒りや憎しみ抱いてしまった。全部が全部、本物じゃなく騙されたんだって思い始めちゃったんだ。それから私は本物の家族である兄しか味方はいないんだって思い始めもした
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