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SAO編−白百合の刃−
SAO8-痛みを知る者と知らぬ者
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腰かけてウインドウを開き、小さな小箱を実体化させる。
 テーブルの上に置いた箱を開くと、中には小さな水晶球が収めていてランタンの光を受けて輝いている。

「綺麗……それは何ですか?」
「『ミラージュ・スフィア』って言うアイテム。こうやって水晶を指先でクリックすると……」

 メニューウインドウが出現して手早く操作、OKボタンに触れると球体が青く発光して、その上に大きな円形のホログラフィックが出現した。
 アインクラッドの層ひとつ丸ごと表示していて、街や森や川が、木の一本に至るまで微細な立体画像で描写している。
 便利よね……現実の世界にもこんなの開発してくれないかな? 

「見るのも楽しいかけど、私の話も聞いてほしいなー……なんてね」
「あ、はい! お、お願いします」

 地図に夢中になって覗き込んでいるシリカに、私は層の説明をした。

「ここが主街区になっていて、今回の目的である『思い出の丘』に必要な蘇生アイテムがあるわ」

 説明伝わっているかなって、不安になりながらも、指先とか使って私なりに説明をした。気分は大学の教授。

「私もいるから大丈夫だと思うけど、ここのモンスターが…………」
「キリカさん?」

 私は唇に指を当てるのをシリカに見せた。

「ここのモンスターが、そうだね……なんて言えばいいのかなってね!」

 そして不自然だけど私はベッドから飛び出し、説明をしながらドアに近寄って、勢い良く引き開ける。
 ドタドタと駆け去る音が聞こえ、廊下の突き当たりの階段を駆け下る人影が見えた。
 おしいな。こっちも気づかないようにやってみたけど、察して逃げやがった。しかも、逃げ足速いよ。

「な、何……!?」
「さっき、誰かに聞かれていた」
「え、で、でも、ドア越しは声が聞こえないんじゃ……」
「普通ならそうだね。でも、聞き耳スキルが高いと、その限りじゃないんだ」

 兄からは、聞き耳スキルを上げている奴はなかなかいないって聞いたことあるけど、実際は多いんじゃない?“ああ言う人達”にとっては便利なスキルなんだし。
 私はドアを閉めて、ベッドに腰を下ろし座る。さて、何故私達の話を聞き耳したのかを考えましょうか。だいたいは検討ついているんだよね。

「で、でも……なんで立ち聞きなんか……」

 シリカは両腕を自分の体に回していて、不安そうな表情をしていた。

「大丈夫だって、ピナは助かるよ。聞き耳されたのもすぐに解ると思うし、ちょっとメール打つから、待っていて」

 さて、おそらくは“奴ら”だと悟り、“ある人”メールを送信する。
 私達の会話を聞いていたならば、明日必ず現れることになる。聞かれてはしまったけど、逆に聞き耳をしていたプレイヤーに会えるのは好都合だ。
 それ
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