暁 〜小説投稿サイト〜
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SAO編−白百合の刃−
SAO8-痛みを知る者と知らぬ者
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の両脇にずらりと客室のドアが並んでいる。私が取った部屋は偶然にもシリカの部屋の隣だった。顔を見合わせて、笑いながらおやすみを言い部屋に入って、髪を下ろしながらベッドへダイブイン。
 シチューと黒パン、デザートにチーズケーキ……チーズケーキは最高だったな。わざわざ下層に行く価値もあるよ。あの美味しさは。
 今度から自分のご褒美にしようかなー……。
 しかし、まぁ……あれね。しばらくは……前線に戻れそうにないかなぁ……。最近はクエストや、依頼やら、人助けばっかしで、あんまり攻略に参加してないような気がする。それのせいか、血聖騎士団の副団長から怒られて、口論しかしてないような気がする。あの子、みんなのために頑張ろうと真面目に取り込んでいるのはわかるけど、それだけじゃなさそうな気がする。彼女にとって、一日一日が無駄にならないように頑張っている姿は、まるで休むことなく走り続けているマラソン選手のようだ。
 別にぐうたらしていいなんて言わない。ただ、焦ったところで自分の体を壊すだけだ。一日よりも早く現実世界に帰ったところで、また最初から始まるのには変わりない。
 と言っても、流石に前線に戻らないといけないわね。ピナの件と依頼の件が終わったら戻って頑張ることにしよう。

「ん?」

 室内にノック音が鳴った。この世界では全てのドアは音声遮蔽(しゃへい)圏であって、話し声が洩れることはない。 だけどノック後の三十秒だけはその限りではない。流石に見知らぬプレイヤーが訪れることはないから、シリカが私に用でもあったのかな?
 相手がシリカだと思って、ドアに寄って開いた。

「はい」
「あ……」

 
 ドアを開くと、シリカがいた。それも可愛いチュニックを着て。
 ……それで、その……なんで黙っているのかな?

「……なんで急に固まっているの?」
「えっと……な、なんでもないです!」

 なんでもないなら、シリカさんは頬が赤く染まっているのかな? 考え事でもしていたから声をかけられてやっと反応して、恥ずかしくなったのかな? それだったら深く追求することは野暮になるわね。

「で、どうかしたの?」
「あの、ええと、その、あの……よ、四十七層のこと、聞いておきたいと思って!」
「あ、言ってなかったっけ?」
「は、はい……」

 それだったら明日の出発時に説明すればいいかなって思ったけど……何があってもおかしくはないから、今のうちに説明するのもいいかもね。そうじゃなくても、ここで拒む理由がないから、断れないのもあるけどね。

「ああ、いいよ。中に入って」
「え、あ、はい。お邪魔します」

 なんか、今もちょっとおかしかったような……? まぁ、いっか。
 とりあえずシリカを中に入れさして、椅子に座らせた。私はベッドに
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