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SAO編−白百合の刃−
SAO8-痛みを知る者と知らぬ者
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、その笑顔に私は素直に返すことも頷けなかった。
 だからつい、ポロッと口を漏らしてしまう。

「そんなことない……」
「キリカさん?」
「私だって、人のこと言えないの……酷いことをしたし、最低なこともした。約束も守れずに、見殺しをした。とってもとっても悪い、女だよ……」

 そして私は他の人にまで言わないことを口にしてしまった時には、身体が締め付けるように少し痛みが走った。
 何言っているんだろう。こんなこと、口にしたところで相手を困らせるだけなのに……そう思うと、私はまだまだ、深い闇に沈んでいるんだな……。
 私自身も、こんなことを言うなんて思いもしなかった。
 こんなこと、シリカに言ったところで困らせるだけだ。何か言って、誤魔化さないと……。

「な、なんてね〜。本当は……」

 誤魔化そうと冗談言おうとした時だった。シリカが私の右手を包み込むように両手でギュッとしてきた。

「し、シリカ……
「あたしはキリカさんの過去はわかりません。ですが、わかったことはあります」

 より強く、両手に力が込められるのがわかった。そう思った時に、シリカが何か言いたいのか、だいたいわかった。

「あたしが悲しんでいる時、キリカさんも一緒に悲しんでくれていました。それって、キリカさんは痛みがわかる人で、優しい人だなって思いました。キリカさんは良い人です。あたしを助けてくれたもん。あたし、キリカさんに助けてられてよかったです」

 だからこそう。やっぱり言わなきゃよかったって思ってしまう。その言葉が嬉しくて、暖かい言葉だから、眩しくて泣いちゃいそうだ。でも、そう簡単に泣かないたら、笑われちゃうし、シリカは私を頼ってきているんだ。情けないところは見せたくない。

「私が慰められちゃったわね……。ありがとう、シリカ」

 私は感謝を込めて礼を伝えると、シリカは何故か赤くなった。
 あれ? 私、変なことした? もしかして、感謝を言ったの……間違えた? そうじゃないとありがたいんだけど……。

「ど、どうした?」

 伺ってみると、シリカは私に向かって、ぶんぶん首を振って笑顔を見せた。

「な、なんでもないです!」
「本当?」
「本当です! あ、あたし、おなか空いちゃった」
「あ、うん。そう、だね」

 誤魔化したっぽいけど、元気にはなっているから深刻なことじゃないな。なんで顔が真っ赤になったのはわからないけど、あんまり気にすることではないな。逆に慰められちゃったし、暗い話はここまでにしとこう。

「じゃあ、シリカのオススメに任せるよ」
「はい!」


 食事を終えた時には、時刻はすでに夜八時を回っていた。明日の四十七層攻略に備えて私達は早目に休むことにした。風見鶏亭の二階に上がって広い廊下
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