SAO編−白百合の刃−
SAO8-痛みを知る者と知らぬ者
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んて、大抵は想像つくものだ。彼女はシリカの使い魔である、ピナがいない原因を知っているのにも関わらずにわざと、口にして、シリカの反応を楽しんで
「あら? 何がかしら?」
「とぼけないでよ。わかっているくせに」
「口に出さないとわからないわ」
赤髪の女性プレイヤーは薄い笑いを浮かべながらわざとらしい言葉だった。
「そう? でも、気遣うことぐらいはできるんじゃないかなー……って、私思うんだよね。そこのところは、言わないとわからないかな? 意地悪なお姉さん。昔話シリーズではあんまり報われないわよ」
「あら、何も言っていないじゃない。まるで気遣いができないって、勝手に決め付けてもらわないでちょうだい。それにアタシのこと意地悪って言うけど、意地悪なことしたかしら? 誰だか知らないけど、貴女って、ろくな考え事しかしてないんじゃないかしらね」
なるほど……“そう言う人”なのね。
屁理屈言ってくるから、言い返そうとした時、キッと睨みつけるようにシリカが私の前に立ち、言葉を発した。
「死にました……でも! ピナは、絶対に生き返らせますよ!」
「へぇ」
わずかに赤髪の女性プレイヤーの目が見開いたが、小さく口笛を吹く。
「ってことは、『思い出の丘』に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略できるの?」
「できます! この人と一緒なら必ず!」
「ふ〜ん」
彼女はあからさまに値踏む視線で私を眺め回し、再び嘲るような笑みを浮かべた。
「あんたもその子にたらしこまれた口? 見たとこ、そんなに強そうじゃないけど」
「自分から言うのもなんだけどさ、見た目で判断すると痛い目に合うって聞いたことないかな? 残念、貴女の見た目通りにいかずに、シリカの言う通り、ピナは絶対に生き返るから」
「絶対ってあるかしらね」
「あるさ。例えば……そうね。絶対に貴女が思っている通りにならないことも言えるかな」
これ以上、赤髪と口論してもシリカが負担をかけてしまうわね。
「そう言うわけで、じゃあねー」
私はシリカを連れて宿屋へと足を向けた。
「ま、せいぜい頑張ってね」
赤髪の女性プレイヤーは笑いを含んだ声色が背中に叩いたが、わざわざ返すこともないので無視して中に入った。
●
風見鶏亭の一階は広いレストランになっている。その奥まった席にシリカを座らせて、私はNPCの立つフロントに歩いてチェックインを済まし、カウンター上のメニューを手早くクリック。そして私はシリカの隣の席へ行き着席をした。
「…………」
シリカは先ほど喜色を表していたのに、今は沈んだ表情で俯いている。今にも泣き出しそうだ。原因はあの赤髪女だろう。それしか考えられない。それでも、私は彼
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