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吾輩は猫である
無印
吾輩、悲しみを知る
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を喰べていた那美が問いかけてくる。


「猫のまま土産を売ってるとこに行って、手当たり次第倉庫に詰めた」
「よし、ちょっと首を差し出せ」
「待て薫、とりあえずそのまんじょうを喰ってる途中で無理矢理刀化させた十六夜を戻してから説明しよう。だからお願いします、切らないでください」


素早く薫の足元で土下座に移行する。頭上には赤い霊力を迸らせている十六夜を構えながら、こちらに殺気を飛ばす辻斬りがいる。おい、さっきから十六夜のすすり泣く声が聞こえるんだが。そんなにまんじゅうを喰いたかったのかよ。


「では、説明を聞こうか……」
「お土産を買いたかったのですが今の状態じゃ買えないので、ですが、さすがに盗むのはいけないと思いましたので、金塊をカウンターに置いてきました」


土下座をしながら説明する。


「金塊? なんでそんな物をお前が持ってるんだ?」
「車や電化製品などを喰った時に体内で分離させて濃縮させてました」
「ほほ〜、随分と便利な体だな。で、実物はまだあるか?」
「はっは〜、どうぞお収めくださいお代官様〜」


金塊、銀塊、白金塊など体内で分離させ圧縮した鉱物を倉庫から取り出す。


「こ、これは……」
「うわぁ……」
「今相場はどのくらいかしら?」
「1g4000円だったはずだけど……」


目の前には色とりどりの鉱物が並んでる。大きさや形は整えてないが確実に一つ一つが1kgを超えているだろう。研磨されてないから無骨だがダイヤモンドなんてカリナンより大きい。要するに3106カラット以上だ。まぁ、天然ではないから価値は著しく落ちると思うが。


「ち、ちなみにどれくらいのやつを置いていったんだ?」
「これくらいのを……」


そう言って目の前にある金塊の中で一番近い大きさのに指を向ける。


「oh……」


そこには久遠の頭ほどの金塊があった。


「許しちゃいけないのは分かってるんだけど……なんていうか」
「その旅館の人達、たぶん今狂気乱舞してると思うな……」


土下座中の吾輩には分からないがどうやらみんな戸惑ってるようだ。


「今回は特別に許すから早くその金塊らを閉まってくれ……なんか心に来るものがあるから」
「ありがたき幸せ!」


へそくりを取られると思ったが、そんなんことはなかったようだ。


「少し、収めますか? 具体的には金塊3つほど……」
「いや、やめておこう。貰ったらなんか堕ちそうだ」


アッハイ。


「ふぁ〜おはようぉ〜……てっ、カオスよくも殴ってくれたな!」
「うっせぇ! 金塊でも喰っとけ!」


起きてそうそう吾輩に突っかかってくる美緒に倉庫から金塊を飛ばし、ぶつける。


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