無印
吾輩、温泉に行く 前編
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もできないじゃないか」
薫が美緒に霊力を教えたせいか今まで1日2回程度から、1日4、5回も襲撃されるようになった。だがいくら霊力を拳に込められるようになっても、薫ほどの霊力は無いため実はそこまで大きなダメージはない。ただ美緒は常人を大きく逸脱した身体能力の持ち主である。込めた霊力は痛くないが、霊力が込められた攻撃そのものはかなり痛い。ただでさえ高い身体能力が霊力で強化されたことによりさらに凶悪になった。
「それはお前の自業自得も入ってるだろ。陣内のやつをあんなに弄らなければそんな風にはならなかっただろう」
「仕方ない、美緒を弄るのが楽しいのが悪い」
「美緒ェ……」
美緒の朝ご飯を喰べ終え、吾輩は久遠と十六夜と一緒に日向ぼっこへ、那美は気絶した美緒を学校に連れて行く、薫は仕事のようだ。
ああ、平和だ……。
前回はあまりにも残酷な本音を聴いて逃げ出したが、今度こそ高町家で朝食を喰うためにもあの黄色イタチをどうにかしたい。できればモグモグしたいが確実になのは嬢が泣く。その涙で発狂する戦闘民族高町の男性陣。そして切り刻まれる吾輩。
あれ、なんか皆集まってるな。すずか嬢やアリサ嬢もいるし、あの荷物はどっかに旅行でも行くのか?
「温泉楽しみだね!」
「そうね、行くとこは最近CMにも出てたとこみたいだしね」
「どんな温泉があるかな気になるね〜」
「早く温泉に入ってのんびりしたいな……」
「ああ、温泉に入りながら熱燗をちびちび飲みたいもんだ」
子供組は実に子供らしい意見を言っている。たいして大人組はあまりにも枯れていた。
「さて、そろそろ行くから忘れ物がないか確認しろよ〜」
皆車の中に乗り込んで行く。あの黄色いイタチも含めて……。
おい、俺は呼ばれず、なんでお前はさも当然のように乗り込んでんだよ。
吾輩が黄色いイタチに嫉妬していると、なのは嬢たちを乗せた車が発進した。吾輩は慌ててその車を追いかけ、車の後ろに爪と突き立てて落ちない用に体を固定する。
道路で人とすれ違うたびに人が振り返る。走行してる車に中型犬並の大きさの猫が張り付いていたら誰でも振り返るだろう。
「なあ父さん、なんか音しなかったか?」
「いや、何も聞こえなかったが」
士郎さんには気づかれなかっただけでも結果オーライだ。
それから数時間後、やっと宿に到着した。途中カーブでふり落とされかけたがなんとか無事だ。
「にゃ〜」
「あれ、クロ!」
「え、クロ? なんでこんなとこにいるんだろ?」
「もしかして車に張り付いて来たとか?」
「さ、さすがにそれはきついんじゃないか?」
皆が皆吾輩の登場に驚きを隠せないようだ。
「そうだ! クロ〜、この子が
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