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環の理
鋼の錬金術師
視察の裏で
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 「おい、ヒューズ中佐……」

 「……何だ?」

 「おかしくないか?」

 「確かにな……」



 やほー、私メイザース。国家錬金術師の一人なの。先日、世話になっている人の夫を助けたんだけど、何だかとってもおかしい事に気付いたのよね。



 「敵が襲って来ねえな……」

 「毎晩送ってもらって悪いな」

 「どうせ家には心配する奴いないからな……」

 「……早いとこ嫁さん貰え」

 「私は女だ!嫁貰ってどうする!?」

 「ぶはははは!」

 「笑うんじゃねえ!」



 そう、敵が来ないのだ。自分だったらすぐに消しに行くね。中佐曰く「変身みたいな事が出来る人間?」だから他人に罪を擦り付ける事ぐらい簡単な筈なのに。



 「まあ、相手にも都合があんだろ」

 「殺されかけたのに気楽でいいねぇ……守るこっちの身にもなってみろよ」

 「ビックリ人間ショーに付き合えねーよ俺は」

 「……確かにな」



 その所為で怪我が絶えなさそうだよこっちは……医療系の錬金術でも齧ってみるか?





 〜〜〜〜〜〜





 「どうしてあいつを殺そうとしないんだ!!」



 地下、誰かの声が響く。そこには複数の人の形をした何かがいた。



 「あいつらはこの国の秘密を知った!計画はまだ先、ここで消すのが得策だろ!?」

 「私も同意見だわ。どうしてラース?」

 「…………」



 沈黙を貫く壮年の男。そこに一つの声が届く。 



 「ラース……何か考えがあるのか?」

 「利用できるからそのままにしておきました」

 「使えるのか?」

 「メイザース・シルバーバーグ……奴は既に扉を開いています」

 「ふむ……変熱の錬金術師の件はラースに一任する」



 それっきり威厳ある声はしなくなった。しかし、言い合いは続く。



 「大丈夫なんだろうな?」

 「こっちから手を出さなければ何も分からないさ。それに中佐の方は私を信じきっている。君の繋がりに気付かないだろう」

 「……それもそうね。あの人真っ先に貴方に相談しに行こうとしていたもの」

 「……っち。うまくいくんだろうな?」

 「奴は積極的に動こうとはしない。釘も充分刺しておいた。後は藪蛇を突かない事だけだ」





 〜〜〜〜〜〜





 「南部視察?」

 「らしいぞ」



 久しぶりに登場したケルベア准将。私もちょっと忘れかけてたわ。



 「大総統自ら戦線を見に行くってよ」

 「南部って言ったらアエル
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