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RPG WORLD ―ろーぷれ・わーるど―  〜復讐の少年〜
一章  出会い
アルダ村へ
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「...ハァ...ハァ...」
あれから、メルダで一泊したのち、人が隠れることのできそうな洞穴などを一睡もせず回り続けていた。
もうFOOD値も1/8以下になり、いくら雑魚敵相手といえども、集中が切れ、ダメージをくらい続けたため、HPも100を切っている。MPはもちろん0で、光足剣も使えない。そして、こっちのスタミナの関係上、双刀を装備から外し、『剛刀・スサノオ』を装備している。理由は簡単。こっちだと居合が使え、少しだけ双刀よりも楽なのだ。
勿論、アイテムも0。
食糧はおろか回復アイテムまで全てが底をついていた。
ただ、お金はかなりあるけど。
今はアルダ村に向かっている途中である。
その瞬間、前方から悲鳴のような声が聞こえた。
...クソ!もうそんな余裕ありゃしないのに!
そう思う前に本能的に駆け出していた。
とまりそうになる足を必死に動かして、走る。
と、悲鳴がした場所では、一人の少女が巨大な蟻から逃げていた。
恐らくあれはガードアントだろう。
ここらでは雑魚敵なほうだ。
と、その少女が転倒してしまった。剣がすっぽ抜けてどこかへ行ってしまう。
と、そこで泣き顔の少女と目があった。
そう僕のほうに叫んできた。
こうなるともう考えるより先に体が動く。刀の柄を握り、左手でわずかに鍔を押し出し、抜きやすいようにする。そして、右足に全力で力を込めて、地面をける。
...さすが腐ってもレベル89。死にそうなのに、一瞬で10mほど離れたガードアントの目の前に到達する。そして、僕の間合い内だ。
瞬間に抜刀し、そのままの勢いでガードアントを切り裂く。
一瞬でジャイアントアントのHPが0になり、そしてスローモーションのように倒れていく。
それと同時に僕も膝をつく。
...無理しすぎた。
そして後ろを振り向き、さっきまでおびえていた少女に向かって、
「だ、大丈夫?」
と聞く。
すると目の前の少女はゆっくりと立ち上がりながら、
「あ、はい。大丈夫です」
と返してきた。
「ならよかった」
ホッとした感じで微笑しながら言う。
あ、そうだ。
「ところで、君、アルダ村の子?」
「はい。あ、私、イシュラです。イシュラ・アローネ。助けていただき、本当にありがとうございます」
ゆっくりとお辞儀しながら少女――イシュラさんが言う。
「ところで、イシュラさん」
「あ、イシュラで結構です」
「えっと、じゃあ...イシュラこんなこと頼むのも悪いけど...」
「はい。なんですか?私にできることならなんでもやりますよ!」
「じゃあ、アルダ村まで連れてってくれない?もう僕、FOODの関係でもう歩けないんだ...」
ちなみに足に力が全然入らない。
誰かの肩を借りれば歩けるだろうけど。
ちなみに、イシュラは...。
「え?」

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