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焔の魔王
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士だ。貴様らに奴らを倒すことができたのであれば、それ相応の力があるとみて我も貴様らの相手をしてやろう」
「……上等だ」

 ゲツガが大剣を構える。

 それを受けて、セモンが刀を。コハクが長槍を。シャノンが巨剣を。ハザードが大剣を。ゲイザーが自らの拳を。それぞれ構えた。

 龍騎士たちも戦闘態勢に入った。


 一触即発の状況。

 ファーストアタックは……





 どこからともなく伸びてきたワイヤーだった。

「え?」

 そのワイヤーは騎士の一人の首に巻きつくと、知よりもなお濃いどす黒い焔を宿し、直後、その頭を吹っ飛ばした。

 
「な……」

 龍騎士が……一瞬にして?

 全員が竜騎士よりなお向こう側を見つめると。

 そこに、先ほどまでいなかった小柄な少年が立っていた。

 
 年のころは十二歳くらいだろうか。黒いマフラーに血色のフードつきコート、その上に黒いロングコートを羽織っている。頭にはネコ耳…ケットシーだ。

 そしてその隣には、ボスモンスターかと見まがうほどに巨大な狼…いや、よくみると犬が立っていた。

 少年はこちらを見ると、無邪気な、しかし底なしの邪悪さをはらんだ表情ででにっこり笑った。


「久しぶり、セモン兄ちゃん!ゲツガ兄ちゃん!」


「……レンホウ」

 
 かつてSAOで《六王》と呼ばれた超強力プレイヤーの一角。《冥界の覇王》。《無邪気な暗殺者(イノセント・アサシン)》レンホウ。
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