暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十六幕 「それぞれの思惑は交わることなく」
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カン自重しろ私・・・」

とかいいつつもほっぺをつつくのはなかなかやめられない佐藤さんであった。



〜side ベルーナ〜


サトーさんは不思議な人だ。
最初は何処にでもいそうな人だと思った。(そもそも日本人の顔の区別など余りつかないのだが)
だがそれは思い違いだった。本当は見せたくなかった診断書を見せた時、彼女は驚きはしたが、それだけだった。

“なかなかにヘビィな過去があるみたいだね・・・いいよ。ついでに学校内でもなんか困ったことあったら頼っていいし”

憐みも蔑みもしない、ただ僕がそういう部分を持ったひとりの人間であるの認識したような、そんな風だった。それでいて僕の事を根掘り葉掘り聞こうともしなかった。
だから僕は、サトーさんは周囲に無関心な人なのだろうと思った。僕がどこの誰でどうなろうと自分の知ったことではない。そう言い切れる人なのだろうと。正直、冷たい人間は楽でいい。こっちに関心がないから干渉してこないし、こちらもあまり気を使う必要がない。だから、サトーさんのその言葉には驚いた。

“いやそれは気になるでしょ人として!!朝目が覚めたら同居人がぽっくりとかマジでシャレにならないから!!
 ・・・って、ごめん怒鳴っちゃって”

その声には本気の心配と不安、そして最後の言葉にしっかりとした気遣いが感じられた。この人は真剣に僕のことを心配していた。僕はこれでもその人がどんな人間か、言葉を交わせばすぐ分かる。だからこう思った。『不思議な人だ』と。そもそも普通なら年相応に僕の事情なんかが気になって仕方ないはずなのだ。なのに彼女はそれ以降ただの一度も事情を聞こうとはしなかった。かと思えば年相応に人を心配することもある。何というか、彼女だけ感じている世界観が違う気がした。
だからなのだろう。僕は少しずつサトーさんに話しかけるようになっていた。

「・・・っていうことがあってさ〜。いやー参っちゃうよね〜」
「・・・知らなかった」
「え、そうなの?」
「今日は久しぶりにオリムラとホンネが来なかったから・・・寝てた」
「そうなんだ?」

矢張り深くは聞いてこない。だが僅かに意外そうな顔はしている。こちらが話すまで待っている、という事だろうか。それともあまり興味がないのか・・・

「ちなみに私も暇なときに会いに行っていい?」

これまた意外。サトーさんがこんな風に自分から聞き返してくるのは珍しい。おそらく興味がない訳ではないのだろう。それでも今まで聞いてこなかったのは・・・ひょっとして、僕との距離感を図っていたのだろうか?これくらいの聞き返しなら許容範囲、と言った感じに。
少し悩み、サトーさんなら僕を困らせるようなことはしないだろう、という結論を出した。

「・・・・・・いい」
「そっか。じ
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