第五章
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「引き渡してもらおう」
「随分と手荒といいますか」
「何とでも言うがいい、こちらも手段は選ばない」
冷徹な声でだ、ハイネルは長に告げた。
「だからだ」
「我々も無駄な争いは好みません」
長は苦い顔で答えた、彼等も平和に暮らしたいのだ。それに多くのエメラルドや銀を貰いそもそも怪しい者達を引き渡すのだから。
「では」
「よし、それではだ」
「すぐに彼等をこちらに」
こうしてだった、ダークエルフ達に彼等を引き渡させた、それからだった。
メイドとその黒エルフについてだ、こう部下達に言った。
「椅子に座らせろ」
「刺の椅子にですか」
「そして火も使え」
それもだというのだ。
「椅子を熱してだ」
「その拷問を使えというのですか」
「それで吐かなければ水だ」
これも使えというのだ。
「いいな」
「水を口から徹底的に飲ませてですね」
そのうえで水で膨れ上がった腹を思いきり踏んで水を吐き出させてまた飲ませて吐き出させる、この拷問を使えというのだ。
「それもですか」
「容赦するな、指を砕こうが手足を砕こうがだ」
そうしてもだというのである、
「吐かせろ、いいな」
「あの、ですがあのメイドは」
「女か」
「女にも拷問をですか」
「そうだ、使え」
やはり容赦なくだというのだ。
「いいな」
「女であろうともですか」
「刺客だ、姫のお命を狙ったな」
だからだというのだ、ハイネルの言葉には容赦がない。
「それなら容赦するな、全て吐かせてだ」
「それからもですか」
「そうだ、まずは拷問にかけろ」
そうしろというのだった、そして実際に。
彼はメイド、実は刺客だった女と黒エルフの商人、実は北の魔族からの連絡員に徹底的に拷問をさせた。
それこそ刺の椅子から燃やし水を飲ませて吐かせ手足に楔を打つ、肉も骨も砕け拷問部屋に絶叫が木霊した。
そうした拷問が続きだった、遂に。
「白状しました」
「そうか」
「やはり北の魔族共の仕業でした」
「やはりな」
「北の魔族達のイングリット家です」
その家が主犯だというのだ。
「あの家の者達が姫様のお命を狙っていました」
「それは何故だ」
「我が侯爵家は皇室からオーゲ王国との縁戚を勧められていますね」
北の魔族達と対立している国だ、魔族達の国のさらに北にあり帝国と魔族達を挟み撃ちをする形になっている。
「つまり姫様を亡き者にして」
「婚姻を潰すつもりだったか」
「そう考えているとのことです」
「わかった、イングリット家だな」
ハイネルはこの家が主犯であり黒幕であることを確認した。
「ではだ」
「ではどうされるのでしょうか」
「すぐに人を集めろ、そしてだ」
さらにだというのだ。
「選べ、工作が得意な者をな」
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