十二話
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「白金錬金鋼だったはずです。それと、本来なら妥協しなければいけない欠点がなく、全ての錬金鋼の長所があって、形状とかも自由だって聞きました」
その言葉に、ハーレイの目が輝く
「うわ、何それ凄い。そんな錬金鋼ほんとにあるの? え、何。全部ってことは白金並みの収束率に黒鋼並みの頑丈さに紅玉並みの触媒作用に軽金並みの軽さに出来るってこと? え、まさか重晶までとかもあり?」
「え、ええ。確か好きに設定できるとか」
「うわー凄いなー。どんな構成になってるんだろう? 黒鋼の含有量でも違うのかな。でもそれじゃ重晶や軽金が説明できないし……複合? でもどんな割合で? あ、そういえばレイフォンは設定を複数つけようとしたよね。だったらそれに対応してそれぞれに反応するように………でも、そもそも混ぜ合わせるなんてこと……」
「ハーレイ。戻ってこい」
一人で思考に没頭し始めたハーレイにニーナが声をかけ、引き戻す
「ん? ああゴメン。考え込んじゃった。でも、出来れば見てみたいなぁそれ。そんな特性があるなんて凄いよ」
「あ、いえ。……それ以外の方が重要ですので」
「え、まだ何かあるの?」
「ええ。錬金鋼の許容量がないんです。こっちの方が重要です」
「え? どゆこと?」
まあいいかと思い、疑問符を浮かべるハーレイの前で錬金鋼に剄をギリギリまで込め、熱を持って赤くなり始めたところで戻す
「え、何今の? 許容量ってまさか、錬金鋼の剄の上限のこと? そんなのあるの?」
「そうです。天剣にはこの限界がありません。だから授受者の方たちは天剣でないと全力が出せないんです。老生体……繁殖を放棄した雄性五期の先の汚染獣相手は、これでないと大変らしいです」
「……初めて知ったよ。錬金鋼の限界とか、老生体とかニーナは知ってた?」
「いや、私も今初めて見た。錬金鋼が限界になることがあるんだな……」
「そうだよね……ちなみにさ、レイフォン。限界を超えたままだとどうなるの?」
「爆発します」
「わお」
「危ないな、それは……天剣授受者のことは分かったが、そういえば女王は何だ? 統治者か?」
「ええ。グレンダンにおける最高権力者で、絶対の君主です。天剣たちの担い手であり、グレンダンの住民にとって、陛下の命は絶対です。天剣をも凌駕する実力があるとか」
「噂にたがわず、か。つくづく凄まじい都市だな」
「僕は行ってみたくなったけどね。天剣かぁ……あれ、限界ってことはレイフォンも同じくらい強かったりするの?」
「いえ、僕はあの人たちほど強くありません。戦ってもほぼ確実に負けます。それだけの差があると思います」
何気ない会話を三人で行いながら、緩やかに時間は過ぎていった
「こうか……お、今のは上手く行ったな。ならば次
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