十二話
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う事
それがどういうことなのか、ニーナは身をもって知った
だが、諦めるという考えなど微塵もない。ならばそれだけの精神を養えばいいだけのこと
そう思いニーナは力を入れて体を起こし、体に剄を巡らす
「ふふ、さあレイフォン。続けようじゃないか」
「ええ。後はとりあえずいつも通りに基礎をしましょう」
「!? 何故だ、金剛剄の続きをするのではないのか?」
「いえ、もういいと思うんですけど」
先ほどのことから、少しでも早く習得してやると息巻いたが故に、レイフォンの言葉にその勢いを止められ驚いてしまう
「私はまだ金剛剄が出来ていない」
「さっき少しですけど出来てましたよ。コツはもうつかめていると思います。精神力なんて上げようと思ってあげられるものじゃありません。金剛剄を本来の用途で使いたいなら、基礎の向上が大事です」
「だが……」
「相手がどれだけの力を持っているか分からない場で、どれだけの強度なら防げるのか、そもそもどんな相手なのかも分からないかもしれません。一歩間違えれば死ぬ環境下で、この程度なら、なんて言うよりも少しでも力を上げるべきです」
「……そこまで言うのなら分かった」
不満げながらも、レイフォンの言葉にニーナは納得しいつも通りの基礎を行うために硬球の上に乗って鉄鞭を振り始めた
「レイフォンは汚染獣と戦ったことがあるのかい?」
レイフォンとニーナの二人が基礎鍛錬を始めて少し、ハーレイが抱いていた疑問をレイフォンにぶつける
「どうしてですか?」
「いや、さっきの口ぶりを聞いてたら、なんかそう思っちゃってさ」
「ああ、そういえばそんな口ぶりだったな。どうなんだレイフォン?」
「ありますよ。シンラさん……キャラバンの人に聞いて知ったんですけど、グレンダンは他から比べれば汚染獣に会い易いらしくて」
「そりゃ凄い。グレンダンって言えば武芸で有名だけど、やっぱりそういった環境があるからなのかな」
「そういえばレイフォンはグレンダン出身だったな。どんな都市なんだ?」
単調な作業故に暇が出てきたのか、ニーナも興味を持って口を開いてくる
それを受け、レイフォンは前にシンラ達に話した時のことを思い返しながら答える
「武芸が盛んで、都市中にたくさん武芸の道場があります。後は……女王陛下と、天剣授受者の方たちがいます」
「女王はまだしも、天剣授受者というのはなんだ?」
「天剣という特殊な錬金鋼を渡された人達のことでグレンダンの武芸者の頂点の人達です」
「ちょっと待って。天剣、だったよね? 特殊ってどんなふうに特殊なの? それに何の錬金鋼なの? まさかどれにも分類されないとか?」
錬金鋼の技師ゆえか、ハーレイは天剣の話題に意気込んで聞いてくる
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