第一章
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やさしい熊さん
ある村に一匹の熊さんがいました。
熊さんはとても綺麗で優しい性格をしていました、ですから村の皆に慕われていていつも周りには村の動物達がいました。
熊さんはとてもいい人です、ですが。
誰かが悪いことをすれば注意することも忘れません。村には我儘な牛さんがいました。
牛さんは好きな場所で飲み食いしてそれで寝ます、村では飲み食いする場所は決まっていて寝る場所は自分のお家と決まっています。
ですがそれでも牛さんは勝手にします、ですが。
熊さんはその牛さんに注意するのです。
「そんなところで食べたり飲んだりしたら駄目だよ」
「じゃあ何処で食べろっていうんですか?」
「草を食べる動物の為の場所もあるじゃないか」
それ以外のところでは食べるなというのです。
「だからだよ」
「けれどあの場所は何か」
「嫌だっていうのかい?」
「はい、僕を嫌いな生き物が一杯いますから」
「それは君が我儘だからだよ」
熊さんは不平を言う牛さんにこのことも注意しました。
「だからだよ」
「じゃあ僕が我儘を言わなかったら」
「ましになるからね。だからね」
「そこに行って飲んで食べろっていうんですね」
「ここは食べる場所じゃないから」
草を食べる動物は村の牧場で食べることになっています、今牛さんは村の外れで草を食べているのです。
「だからだよ」
「そうですか」
「わかったね、牧場に行くんだよ」
「牧場から追い出されたりはしないですよね」
「飲み食い出来る場所からは誰も追い出してはいけないじゃないか」
それが村の決まりです。
「若しそんなこと言う動物がいたら僕が言うから」
「そうですか」
「そう、だから安心してそこに行くんだよ」
「わかりました」
こう言って牛さんを牧場にやるのでした。牛さんも周りに言われましたが牧場に入ってそこで飲み食いをする様になりました。
村は熊さんがまとめ役でした。その熊さんにある日お友達の猫さんが言いました。
「牛君熊さんに注意されてから変わったね」
「そうみたいだね」
「我儘なところがかなり収まったよ」
「いいことだよ」
「皆言ってるよ、熊さんが注意したお蔭だって」
「誰かが言わないとって思ってね」
それでだというのです。
「言ったけれどね」
「そのせいだね。牛君はもう問題ないね」
「だといいけれどね」
「ただね」
ここで猫さんは難しい顔になりました、そのうえで熊さんにお話するのでした。
「何か村に猿達が来たじゃない」
「ああ、何匹も来たね」
「あの連中どうなのかな。態度悪くない?」
「気になるね」
熊さんは腕を組んで猫さんに答えました。
「あのままだとね」
「牛君みたいになるかな、熊さんに
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