第二章
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「好きです、付き合って下さい」
「・・・・・・・・・」
宏美は一瞥もせず素通りするだけだった、どう見てもこの告白は失敗だった。
この告白の次の日友人達は彼に言った。
「失敗したんだよな」
「相手にされなかったってか?」
「けれどそれでもだよな」
「また、だよな」
「言っただろ、何度でもだよ」
全くへこたれていない、目の光は強いままだ。
「俺はチャレンジするってな」
「だよな、やっぱり」
「そうするんだよな」
「ボギーが駄目だったんだ」
これは失敗だった、この失敗はよく認識していた。
だがそれでもだった、彼はというと。
「それならな」
「それなら?」
「それならっていうと?」
「ウエスタンだな」
西部劇だった、やはりアメリカだ。
「それで行くぜ」
「ああ、そうか。ウエスタンか」
「それでいくんだな」
「そうだよ、やってやるさ」
呆れる友人達には気付かずに言っていく。
「今度はそれでな」
「やってやるってか」
「そうするんだよな」
「ああ、そうだよ」
また言ってそしてだった。
実際に今度は西部劇の格好で宏美の前に出て告白をした、しかし今度もだった。
宏美はまた無視をした、だがやはり真一郎は諦めない。
次の日友人達にまた言った。
「今度はカンフーだ」
「香港映画か」
「それか」
「ああ、それで挑むさ」
それでカンフー映画の服を着てヌンチャクを振り回して告白した、次は。
三国志、孔明の格好だった。それからは。
モーツァルトの貴族の衣装と鬘、歌舞伎の助六、ワーグナーのローエングリンの白銀の格好、モンゴル民族にイエニチェリ、インド人もあった。
あらん限りの格好で挑む、だがだった。
全く通用しない、快傑ズバットの様にギターを背負っての告白も駄目で帝国海軍士官も無視された、それで最新は。
「アステカの戦士も駄目だったか」
「それも」
「一緒にピラミッドで生贄を捧げようって言ったけれどな」
これがその時の告白だったというのだ。
「無視されたよ」
「その場に警官いたら逮捕されてる告白だな」
「っていうかそれの何処が告白だよ」
友人達は彼の言葉にこいつは何処まで馬鹿なんだと思いながら答えた。
「アステカの全身にジャガーの皮で作った服を着てか」
「ジャガーの頭で作ったもの被って武器と楯持って告白したんだな」
「無視されたよ、これも駄目だったよ」
「アーサー王もやったしな」
「後二十面相もな」
「ルパンもあったよな。 二十面相と見分けつきにくいけれどな」
「他には三銃士もな」
「ホームズもやったよ」
それもだというのだ。
「レッドバトラーもロミオもな」
「何気に文芸も推理もか」
「多いな」
「今度は忍者で行くか」
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