第三章
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うのね」
「そう、あの噂は本当だったのよ」
図書館で手紙を書けばその相手と結ばれる話がだというのだ。
「だって私がそうなったから」
「そういうことなのね」
「本当になることだったのね」
「そうなの、こんないいことってないわ」
また言う唯だった。
「だから二人もね」
「ううん、私はまだね」
「私もね」
愛実と聖花は二人の言葉に少しはにかんで答えた。
「そういうことはね」
「いいわ」
「そうなの、じゃあいいけれど」
唯も二人の言葉を受けてそれでは、と返した。顔は笑顔のままだ。
「それだとね。それでだけれど」
「ええ、今からね」
「はじめよう」
二人も応える、今三人はその商業科の図書館の席に三人でいる。
そしそこでだ、教科書とノートを開いていた。
問題集もある、聖花は唯に彼女が持っている問題集を見せて言って来た。
「それで夏目漱石の代表作はね」
「坊ちゃんよね」
「あと四つ覚えていたらテストも大丈夫」
「四つ?」
「そう、今回のテスト範囲で出るのはこころだから」
だからだというのだ。
「他の四つね」
「わかったわ、じゃあまずは吾輩は猫である、に」
唯は漱石の作品のチェックをはじめた、愛実もそれに続く。今は図書館の中で三人で勉強をするのだった、恋が実ったその図書館の中で。
お手紙 完
2013・5・29
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