暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第17話 悪夢と少女の苦悩
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ている少年、あの鮮やかな銀髪を持つ少年だった。彼はそう言い終えると、目を細めながら レイナを見た。何かを探る様に。

「ん。成る程……。精神状態が不安定、のようだな」

 彼は、カップを置き、確信した様にそう言っていた。

 レイナは、その言葉の1つ1つを 脳内で再び再生させた。特に《昨日の事》についてを。
 それらのパズルのピースを頭の中で合わさっていった。時と共に、形を成していく昨日の記憶。

「……落ち着いて、これを飲むといい」

 思い起こそうとしていた時、そう言って彼から渡されたのはカップだった。その中の香りは……更に自分自身を落ち着かせてくれた。

「あっ………」

 レイナは、この時全てわかった。彼は、彼の名前は《リュウキ》。昨日の攻略会議の時にパーティを組んでくれた人であり。そして、昨日、お風呂を……、それにこのベッドだって……貸してくれた人。レイナはそこまで思い出した後、素早く行動を起こした。

「そ、そのっ! ご……ごめんなさいっ!!」

 直ぐに頭を下げた。沢山お世話になった人なのに、パーティを組んでくれた人なのに、まるで邪険するように、怖がる様に、敵を見るようにしてしまったから。

「……別に構わない。詳しくは聞かないが、原因は昨日話していた事、なんだろう? デジタルの世界とは言え、脳でプレイをしているんだ。……そう言う事もある。それより、それを飲んでみろ。これはオレのオススメだ」

 リュウキはそう言うと、カップを口に運んだ。

「あ……、う、うん。ありがとう……」

 レイナも同じように口に運んだ。口に運ぶ前からわかっていた。そのとても良い香りがするから、美味しいんだという事が。

(これは……ハーブティ……?)

 香りと共に、口の中に含み、味覚エンジンを全開にして(意識して)ゆっくりと味わうレイナ。現実世界で、これと同じ様なのを飲んだ記憶があった。勿論若干は違うけれど。

「これは、《アスティアの葉》で作るハーブティだ。……別にステータス系には なんら関係ないものだが、脳を休め・落ち着かせる効果がある。リラックスが出来る、と言った所だろう。……どうだ?」

 リュウキは、レイナにそう聞いてた。レイナはゆっくりと頷く。

「え……、う……うん、凄く……美味しい、よ。ありがとう」
「構わない」

 リュウキはそう一言だけ返すと、カップを置きメニューウインドウを呼び出した。
 そして、≪装備フィギュア≫で装備を選び操作をしていく。……数秒も経たない内に、彼の姿は昨日のモノ。白銀のローブに身をつつんでいた。

「オレは、もう行く」
「え……?」

 リュウキが言った言葉の意味をレイナはわかってなかったようだ。今日が何の日なのかも。

「昨日
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ