十一話
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だけ技の幅も広がると思ったんで。ある程度基礎が終わってからじゃだめですか?」
「……いや、わがままを言ってすまない。それで頼む」
僅かな沈黙の後、了承したニーナはレイフォンと同じように硬球の上に乗ろうとし
「お、っと……っつ。 ―――あ」
そのまま、盛大にこけた
下が土でなく緑の短い草であったため、ドン! ではなくイメージ的にはポスッ。っといった感じで仰向けに倒れる
見上げる限り青い空が視界一面に広がり、ニーナは一瞬自分がどんな体勢になっているのかを忘れてしまう
「大丈夫ですか?」
「………こ」
「あのー、ニーナさん?」
「………こっちを見るなー!」
年下に対し我儘をいい、そのままの気まずさから乗って無様に転げた自分を見下ろすレイフォンに、ニーナはつい顔を赤くして叫んだ
うららかな昼下がり、一人の少女の羞恥の叫びが鳴り響いていった
「そう言えば、レイフォン。お前はどうして、自分の都市を出たんだ?」
既に十分な時間が経ち、空の青さに少し陰りが出てきた頃、ニーナはふと思ったことを聞いた
既に素振りをあきらめ、硬球の上に立つことだけに集中したがためか、無手で視線が下を向きがちだがギリギリ立ち続けることは出来るようにニーナはなっていた
「出稼ぎをして、お金を稼ぎたかったからです」
「なっ! 金稼ぎの為にこの力を?????ふぎゃ」
レイフォンの答えに反応し、顔を勢いよく上げてバランスを崩した結果、ニーナは顔から地面に突っ込んでいった
そしてすぐさまガバッと顔を上げレイフォンの方を向く
「僕孤児何で、お金がないんです。孤児院のためにもたくさんお金が欲しいんです。武芸ぐらいしか出来るものもありませんので」
その言葉に、武芸を志した理由にして今なお消えぬトラウマが一瞬浮かびかけ、直ぐに振り払う
その言葉を聞き、レイフォンの顔を見ていたニーナは何か言おうとしたのか開きかけていた口を閉じ、険しくなっていた表情も解ける
「……そうか。だがしかし…………いや、そういったことを経験したことがない私には理解できないものだな。すまなかった」
そういい、軽く体をたたきながらニーナは立ち上がりレイフォンの方に向かう
「それよりそろそろ時間じゃないか?」
「え? あ、ほんとだ」
そう言われ、レイフォンが時間を確認してみればそろそろ終了の時間
それを確認しニーナは鉄鞭を待機状態に戻す
「では、言った通りに錬金鋼の技師のところに案内しよう」
そういい、置いておいた荷物から軽く上に羽織るものを取り出し、それを纏って歩き始めたニーナについてレイフォンは歩き始めた
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