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鋼殻のレギオス IFの物語
十一話
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「っつあ! ハァ、ハァ、ハァ……」

 剄の供給を断ち切り、今まで入れていた力を抜いてニーナは肩で息をし始める。見れば薄くだが、額に汗も浮いている

「意外にきつい、もの、だなこれは」
「ええ。特に、なれていないと疲れやすいです」
「ふふ、そうか。で、私はどうだったんだ?」
「剄量に関しては、普通がどのくらいなのかよくわかりませんが、大丈夫だと思います。後、剄の練りこみは無駄が少なく、綺麗でした」
「そうか、それはありがたい。私の方も、レイフォンの強さが漠然とだが分かったような気がするぞ」

 そういい、ニーナは少しだけ口元をまげこちらを見る。動きやすい黒のスポーツウェアを身に纏い、薄く汗をかいて小さく笑みを浮かべる姿は一枚の絵のようにさえ思える
 不敵な笑みにしても、故郷の知り合い二人とは違いすぎる清々しさがレイフォンの心に安らぎをもたらしてさえくれる

「それで、次は何だ? 私はまだまだいけるぞ」

 大きく一呼吸し、ニーナが鉄鞭を持ったまま立ち上がる。そこに疲労はあれど、動けないというほどではない
 これだけで終わりにするわけにもいかないので、レイフォンが押し合いを止めるタイミングを少し早めたが故のものだ
 そんなニーナを確認し、レイフォンは持ってきた荷物をバックから取り出して地面にばら撒く

「? これを使うのか?」

 そういい、ニーナは足元にいくつもまかれた硬球を軽く足でつつく
 それだけでコロコロと転がっていく硬球をどのように使うのかニーナには想像できない

「ええ。この上で素振りをします」

 そういい、実際にレイフォンは硬球の上に乗り、剣を何通りか振って見せる
 その際、足元の球は微塵も転がらず、上にいるレイフォンの体もぶれることなく剣を振るう

「活剄の流れで筋肉の動きを操作して、衝剄の応用でボールの回転を抑えます。肉体操作の錬度を上げ、細かなコントロールの練習になります。初めは慣れるまで難しいので、活剄だけを意識して???」
「……なあ、レイフォン?」
「なんですか?」

 なぜだか、少し不満そうな顔をしているニーナにレイフォンは向き合う

「確かにこういったことが大切なのはわかるんだが、技とかはないのか」
「技、ですか?」
「ああ。この間の時の、確か金剛剄だったか? あれは教えてくれないのか?」

 ああ、と思い出す。確かにそんなことを言った気がする
 正直な話、今日の内容をどうすればいいのかと考えていて忘れていた。無論いくつか技を教えるつもりはあったのだが、とりあえず今日は鍛錬の方法など基礎的なことにして次回以降にしようと思っていたのだ

「えーと、その。今日は基礎鍛錬のことで、技とかは後にしようと思ったんです。基礎が上がれば、それ
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