暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の十字架
〜It works togetherA〜
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確かに来る途中の海はきれいだったな。眺めとしては最高だ

「ミラ、時間が合えばまた乗せてやるよ(バイクに)」

「本当!?嬉しい!(クルスの後ろが)」

二人の考えがずれているとは露知らず依頼人のところに向かう

「依頼を受けた妖精の尻尾だ。あんたが依頼人か?」

「おぉ!お待ちしていました!」

握手を求められたのでしぶしぶ右手を差し出すと手をぶんぶん振り回された

「ありがとうございます!!実は今日のオークション、ちょっと訳あり客が多くて・・・」

「訳あり?」

ここで話すのもなんですので・・・と言われ、近くの喫茶に案内された

「では、改めて。私が今件の依頼主、ケビンと申します」

さすがはオーナー。立ち振る舞いが違う

「今回のオークションには訳あり、こう言ってはなんですが、親の七光がいまして・・・」

成程、やっかいな客だ

「しかも、それなりの魔導士の護衛がありまして、万が一のことを考え依頼しました」

「任せてください!私、いえ、クルスが何とかして見せます」

をい、俺任せかよ

「クルス・・・?ッてあぁ!」

突然手をたたいて何かを思い出したかのように目を見開く

「あの、覇界神!クルス・ハルバートさん!?」

「あぁ。覇界神ってのもクルスってのも俺だ」

そうでしたかぁと言ってケビンは胸をなでおろす

「でしたら安心ですね。クルスさん。万が一の時はお願いします」

「了解した。それと、港を降りた後の護衛ってのは?」

「そちらは、港に着いてから別の者から詳細をお聞きください」

そう言ってケビンは立ち上がった

「出港は午後3時ですので、それまでお二人でごゆるりと」

一礼して喫茶から出て行った

「ミラ、どうする?」

「?何が?」

「どっか遊びに行くか?」

即答だった






「あ!クルス!あれ見て!魚が水槽で泳いでる!」

ミラが指さしたのは水族館。入場は無料の観光地だ。ここの港では食用だけでなく観賞用の魚もよくとれるようでこうした水族館がいたるところにある

「いってみるか?」

「うん!」

中にはカップルばかりだった。しかもイチャイチャが多く若干混雑している
するとミラが恥ずかしそうな顔で手を差し出してきた

「・・・はぐれそうだから、だめ?」

薄暗いこの空間で肩と肩が触れそうな距離の少女からの切実なお願いを聞けない男子がいるなら見てみたい・・・

「いいぞ」

差し出された手を握る

「ふふ。クルスの手大きいね」

「まぁな」

水槽には一匹の魚が優雅に泳いでいる。その魚の少し後ろには同じ種類の魚が

「・・・ぁ」


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