十話
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性がレイフォンの方へと錬金鋼を復元しながら歩いてやってくる
その間に、シンラがレイフォンの肩をつつき復元を終えたレイフォンがそちらを向く
ちなみに、既にシンラとエリス以外の者はキャラバンの方に戻っていった
「何ですか?」
「いや、少し助言をと思ってね。力でのゴリ押しはあまりしない方がいい。教導である以上、技術で相手を打ち負かした方が受けがいいと思うよ。無論、抑えろという訳ではないけどね」
「うーん?」
「……要は、錬金鋼の許容量を超えないように十分剄を下げた方がいいということだ」
「分かりました」
レイフォンの返答を聞き、シンラが下がるのと同時に相手の男性が十分な距離にまで来る
復元された対の武器、トンファーと呼ばれる様相をした武器を握ってレイフォンの方を向いて口を開く
「君が相手でいいんだよ……ね?」
やはり戸惑いがあるのか、男はレイフォンに目を向けたまま一瞬口ごもる
「えーと、はい」
「そうか、では始めようか」
互いに力を抜き、柔らかく其々の武器を構える。既に先ほどまで会った緊張感はレイフォンの中から消えている
レイフォンは剣先をわずかに下げて重心を僅かに前に移し、相手の男は胸の前で二つのトンファーの先が触れるか触れないかぐらいになるように腕を構えてやや体重を下に落とし、二人は全身の活剄の密度を高めていく
「いい活剄だ。もしかしたら俺の剄量を超えているかもしれない。グレンダンではそれが普通なのかい?」
「普通かはわかりません。けど、低くはないと思います」
「そうか」
軽く言葉が交わされる間も、剄は丁寧に練られていく。そしてそれが全身を満たし――――――二人は同時に地を蹴った
間の距離を埋め、互いが触れ合うまでの時間は一瞬。刹那の間にぶつかりあった互いの武器は己が所有者の優劣を明確に分かつ
重心を下に移して体勢を下げ、身を捻りながら振るわれ斜めから向かいくるその攻撃を、振るう動作の時点でもって剣を斜めにぶつけ潰し、そのままの力でガードごと飛ばす
防いだ方のトンファーをとばされ、片手持ちに相手に追い打ちをかけようとし
「そこまで」
不意に現れた気配に対しレイフォンの剣が反射的に振るわれる
ギィン! と金属的な衝突音を発しながら鉄鞭が振るわれた剣に斜めにぶつけられる。その衝撃を自ら体を斜めに引いて殺した上でもう片方の鉄鞭を別の方向から重ね弾き、男は佇む
技を持ってレイフォンの剣を完全に弾いたアントーク家当主の姿がそこにはあった
明確に狙ってはなく、許容量は超えてさえなけれど十分なだけの剄が込められた一撃を受けてなお表情を変えぬまま男は口を開く
「お前の勝ちだ。剣を引け」
その言葉を受け、レイフォンは錬金鋼を待機状
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