十話
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れた際、実力を保障していざという時は仲介するという風にシンラが言ったのも覚えている。だが、ここでそれが出るとは思わなかった
混乱しているレイフォンとは対照的にシンラは面白そうにしている
「な、何で前もって言ってくれなかったんですか!? 普通のバイトにしようと思っていたのに!」
「いや、情報を集めているときにこのことを聞いてね。子供同士でいいかと思って。そのために錬金鋼を持ってくるようにも言っていただろう?」
「……このためだったんですか?」
確かに、起きた際に準備するよう言われた時、錬金鋼を二つとも持ってくるように言われたのに少し疑問があったが、このためだとは思わなかった
「ああ。それに君は武芸者だ。こういった方が向いているんじゃないか? それだけの強さがあるんだ、選定条件は満たしていると思うよ」
「いや、でも……」
「それにこれだけの名門だ。そこらの店でバイトするのから比べれば、ずっと金額が大きいと思うよ」
「うっ。そ、それは……」
確かにそうなのかもしれない。出稼ぎに来ている以上、少しでも多くの金額を稼げることすべきだ
だが、今まで人に教えるといった経験がなく、不安がなくならない
そのことを見越してか、苦笑しながらシンラは口を開く
「何、何事も経験だよ。一度やってみればいい。ダメなら向こうから言ってくる」
「……う〜ん。あー、うー。………んー、分かりました」
「―――いいだろう、興味がわいた。そこの子ども、レイフォンといったか。力を見せてみろ」
声に振り向けば、男性が思考を終えたのかこちらを見ている
その声にはどこか不敵な、面白そうな色さえ混じっている
「ニーナの為に呼ぼうと思っていた武芸者を今庭に呼んだ。その相手に勝って見せろ。そうすればその者の代わりにお前を雇おう。着いて来い」
そういい、歩き始めた男性にレイフォン達はついて行った
連れてこられた表向かって右の端の開けた場所。既にそこにいた男性にレイフォン達を連れてきた当主が近づいていき、言葉を交わす
その言葉を受けた男性は怪訝そうな顔をしながらレイフォンの方を見やる
「そういうわけだ。これに勝てたら今日からニーナの教導を任せよう」
「意図は分かりました。ですが、あんな子供を相手にするというのは……」
「向こうから言ってきたのだ、気負う必要はない。気になると言うのならニーナの前の試だとでも思え。それと、もし負けるようならばあの少年に任せることとなる」
「あんな子供に、でしょうか?」
「歳が近い分、刺激も受けるだろう。それだけの力があればだがな。グレンダンの者らしい」
「グレンダンの………分かりました」
幾ばくかの会話の後、待っていた男
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