十話
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の話す雰囲気に幼馴染が思い浮かぶ
その質問に溜息を吐きながらエリスは返す
「同じ都市の出で、幼馴染ほど長くはありませんが腐れ縁というやつです。外のことを熱く語る姿に面白そうだと思ってしまったのが私の間違いです」
「嫌だったんですか?」
「いえ。慣れてしまえば退屈だけはしないので今はそう思っていません。たまに呆れることもありますが」
「へー」
「おーい、着いたぞ」
気づけばほどほどに長く話していたらしく、既に目標地点のすぐ近く。先頭にいたはずのシンラがすぐ近くにまで来ていた
「話してないで、早く行くぞエリス。他の連中に遅れる」
「力は弱いくせに相変わらず行動だけは早いですね。出来ればそのための情報をちゃんと伝えてほしいのですが」
「善処するよ。それよりもさっさと行こう。ほら、レイフォンも」
「あ、はい」
見えた家の全貌、それと周囲を取り巻く庭を眺めていたレイフォンはその声に意識を取り戻し、速足で少し前のシンラ達に向かっていった
「お前達が話に合った者か」
「その通りです。お目にかかれて光栄に思います」
先ほどまでの軽口を感じさせぬ態度をもって、恭しくシンラが頭を下げる
相対するは一人。輝くような黄金色の髪を後ろに撫で、鋭い目をした男性。一つ一つの動作が洗練され、枯れ草色の上着を纏い歪み一つ見れぬ姿勢はただそれだけで一つの世界を形作り、何気ない動作さえも視線を引く
「アントーク家の当主と会えるとは思っていませんでした。この出会いに感謝を」
「世辞はいい。来て早々ここへ押しかけて売りたいという意思は買おう。物は何だ?」
「こちらです」
その言葉と共にシンラはリストを、他の者は屋敷に入る前にチェックを済ませた荷物を開けその物の姿を相手に見せる
男性は渡されたリストに目を通しながら時折その実物に視線を向ける
「剄脈抑制薬に緩衝剤、鎮痛剤に弛緩剤……トラジア……泗水の酒……………それとハシトアの実、か」
「知っているのですか?」
「噂程度だ。だが、それを知っていながら武芸者の家に持ってくる意味を理解しているのか?」
「ええ。様々な使い方があると聞きましたので」
そういいながら笑顔を浮かべるシンラに相手は口元を歪める
「はっ、大した度胸だ。これだけの都市を周ったが故の物か? ……過ぎた力を手に入れても体を壊しては意味はあるまい。ましてこんな物の力に頼ろうなどとは思わん。だが、研究の余地はあろう。使えなければ食材として流せばいい。…………いいだろう。ここにあるもの一通り買わせてもらう」
「ありがとうございます。……そういえば名前がまだでしたね。私の名前はシンラといいます」
「この後仕事が少し入っているのでな、代
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