十話
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ら、レイフォンは後ろで繰り広げられている言い争いに背を向け、自分にあてがわれたスペースに戻って行った
「どこに行くんですか?」
「……シンから説明されていないのですか?」
「ええと……はい」
「まったくあのバカは……」
街中で昼食を取った後、シンラやエリス達五名と共に言われた通りに歩く途中にレイフォンが発した言葉にエリスが溜息を吐き、先頭の方で友人と話し合っているシンラを睨む
念威操者は感情を余り大きく表さない傾向にあるため、表情をあまり変えずに睨む視線が地味に怖い
「今私たちが向かっているのは、アントーク家というこの都市での武芸の名門の家です。私たちが持っている他の都市での薬や物資の中で、貴重なものなどが売れないかと交渉に行くところです。……もっとも、シンの言葉を聞く限り他にも何かありそうですが」
「……直接売りに行くんですか?」
「ええ。映像や、知識としての情報や作物のデータなどはそういった店などに売るのが普通ですが薬、それも武芸者に良く効くようなものや彼らが使うもので他都市の物などは、こういった様に大きな家に直接売りに行った方が何かと好都合なんです。場合によっては様々な情報が代わりに貰えたりしますし、そういった家は都市内でも力があるので、仕事を紹介してもらえたりします」
中々に現実的な答えにレイフォンはそういったこともあるのかと素直に驚く。きっと、それもいくつも都市を回るうちに付けた知恵なのだろう
グレンダンで言えば、サヴァリスがいるルッケンスや、クラリーベルのロンスマイア家のようなものだろうかとレイフォンは思う
「あそこに見えるのが、先ほど言ったアントーク家です」
エリスの動く指に吊つられ、その示す先に視線を移す
今歩いている街中の先、ここよりも少し高い場所に設けられた家の片隅が周囲に設けられた木々と共に目に入る
「大きいですね」
「ええ。聞いた話では広い庭園を設けられた広大な屋敷だとか」
歩くにつれて少しずつ屋敷が見えてくる
先ほど見えた木々は一定の間隔、様相を持って整えられており、その中にはここからでも余計な草などないと錯覚しそうなほど平坦なに整えられた緑の芝が映える
見た限りでも周囲とは隔絶された様相を持つのに、未だに全貌が見えないためその広大さに想像が沸き立つ
「アントーク家はこの都市で名門であり、都市の警備にも尽力し広くシュナイバルの民から知られ、慕われています。………そんな相手にすぐさまアポイントを取りつけるとは、シンのことは昔から理解できません………」
「シンラさんとは昔からの知り合い何ですか?」
朝から引っかかっていたのだが、出てくる言葉がどうも付き合いが長いような印象を受けレイフォンは尋ねる
全然違うはずなのに、そ
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