十話
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に言うと、都市の意識だよ。“自立”型移動都市の動きを司る存在のことだ。もっとも、僕もまだ本物を見たことはないがね。ここシュナイバルはその電子精霊を唯一生み出す場所らしい」
「へ〜……あれがそうなんですね」
「もっともあれはあくまでも子供で、まだそこまで育っていないらしいけどね。もっと暗くなればより一層映えると聞くし、中にはあれが集まる樹もあるらしい」
「グレンダンにもいたのかなぁ」
「きっといたはずだよ。それよりも情報を集めよう。見るだけなら、これから時間はたくさんあるのだから」
「ケルネスん時の薬、余りどこおいた!」
「赤い箱ん中に補助剤と一緒に会ったはずだ。それよりもトリデン時のデータチップどこだよ!」
「あ、スマン。それこの間割っちまった。マスターしか残りねえや」
「コピーしとけ馬鹿が!」
「ふぁ〜あ……」
放浪バスの中、聞こえてきた声に眠い目をこすりながらレイフォンは目を覚ます
昨日は簡単な情報取集に地理の把握などを良く理解できないながらもシンラについて回り、帰ってきたのが夜遅くのこと
途中で言われた通りの、ある種幻想的にも見える空の光景に少し心奪われたりもしたが、それでも知らない街を夜遅くまで歩くという心理的にも疲れる行為をしたせいか、それともやっとたどり着いたが故の安心感からか、いつも以上に眠気がある
活剄をつかえばそんなこともないが、必要もないのに使う気には余りならない
「……おはようございます」
「ああ、おはようレイフォン」
「おはよう、というにはいささか時間が過ぎているように思います。シン、子供をあまり遅くまで連れまわしてはいけません」
「はは。以後気を付けるよ」
扉を開け、テーブルや椅子がある簡単な談話室(食事も取れる)に入りながらレイフォンが挨拶を口にすると、シンラがそれに返し、このキャラバン唯一の女性念威操者エリス・ノートルがそれに悪態をついた
肩口にややかかるぐらいで切りそろえられたストレートの黒髪が、軽く左右に振られる頭につられて小さく波打つ
「どうしたんですか、皆?」
「ああ、ちょっとこの後必要なものがあってね。そのための準備をしていたんだよ。レイフォン、昨日は遅くまですまなかったね」
「いえ、僕も楽しかったです」
「シン、昔からあなたには反省がありません。少しは年相応の落ち着きを持つべきです」
「まあ、いいじゃないか。彼もこう言ってるんだ。それよりもレイフォン、午後になったら……というよりも昼食を食べたら行くところが出来た。一応、一通りの用意をしておいてくれ」
「あ、はい」
「少しは気にしなさい」
「覚えていたらな」
どうやら予想外に寝過ごしたらしく、既に今日の予定は立っていたもよう。そのことについて少し自分を正しなが
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