十話
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
……準備をしてから実際に出るまでに一年かかったよ。最初は少なかったけど、都市を周って同じような思いを持つ相手を見つけて仲間にして、今のキャラバンになった」
聞いた話ではこのキャラバンの人員は、武芸者三名に念威操者一名。それ以外の一般人が十一名で合わせて十五名
今でこそのその人数だが、今の話では最初は一人二人の数だったのだろう。それは、どれほどの苦労か
「最初の方は苦労したよ? 護衛を雇ったり、自分たちのバスを買う資金が足りず必死で資金稼ぎもした。今でも活動資金のために情報や、他の都市での特産品なんかを運んだりして売ったりしている。シュナイバルは有名な都市だからね、ある程度の長期滞在になるつもりだよ。逆に、治安が悪かったり、都市自体が貧しかったりする所は短いけどね」
その言葉を聞き、ふと疑問に思った言葉をレイフォンは口にする
「あれ? だったら、途中で違う都市に寄った時はどうするんですか?」
目的の都市に一度で行けることなど少ない。大抵は乗り換えをすることになる。個人所有のものだとしても、物資の補給などの関係で寄るだろう故の疑問
その疑問に、今度は先ほどまでとは違い、苦笑しながらシンラは答える
「ああ、そのことなんだがね………寄るたびにあっちにこっちにと行っていたらまとまりがつかないから、どこに行くかはある程度先に決めて、あまり寄り道せずに一つ一つ行くことにしているんだ。最初の頃、計画性を全く持たずにいて苦労したことがあってね。それ以来そういうことにしている。だから、途中の都市によっても、基本はあくまで補給だけのつもりだ」
そういい、よっこいせと呟きながらシンラは立ち上がる
「色々聞かせてもらって楽しかったよ。何か聞きたいことがまだあれば、僕か他の仲間に聞くといい。よければ、今までに寄ってきた都市や集めた情報を聞かせてあげるよ。大体、シュナイバルに付くまで後十日から二週間程。その間暇だろうからね」
「あ、はい。ありがとうございます」
では、と呟き、シンラは違う部屋の中に消えていった
「……噂どうりだな」
「あれは何なんですか?」
僅かに暗さが出てきた夕方前。空を漂ういくつもの淡い光が縦横無尽に飛び交っている光景にシンラが感嘆を、レイフォンが疑問を言葉にする
あれから十一日。途中で一度他の都市に寄ったが、おおむね予定道理にシュナイバルに到着した後、長期滞在予定のため自前のバスのほかに簡単な宿屋を取った後のこと。それぞれが情報収集のためにある程度ばらばらになり、レイフォンはシンラと共に街を練り歩いて見つけた光景がそれだ
「今までに集めた情報によると、あれは電子精霊の雛らしい」
「電子精霊?」
「簡単
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ