十話
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相手の力量が分からないのはレイフォンにとっても同じ。そして既に、レイフォンはニーナの力量を大まかにつかんだ
故に、すぐさま体を翻らしながら旋回運動によって振るわれたニーナの右の鉄鞭、その薙ぎ払いをレイフォンは――――
――――そのまま、素手で殴り飛ばした
「なっ!?」
ギンッ! という硬質的な音を発し、固いものにぶつけたような衝撃に握力が持たず、鉄鞭はニーナの手から零れ、後方へと落ちる
―――活剄衝剄混合変化・金剛剄
それが、今殴る瞬間にレイフォンが使った技である
活剄による肉体強化と衝剄による反射を行うこの技は、受けた側からすれば固い金属に打ち込んだかのような衝撃を受ける
それを武器に受けたニーナはその光景にやや放心し、すぐさま我に返る
その眼には、既に先ほどまで会った疑惑の感情はない
「……今、何をしたんだ?」
「金剛剄という技を使って殴りました。本来は、防御に使う技です」
「私にも、使えるのか?」
「原理自体は簡単なので。受けてもらえるのなら」
「……私の負けだな。納得がいった」
そういい、ニーナは勝気な瞳をレイフォンに向け、近寄ってきて微笑を浮かべながら手を差し出す
「これからよろしく頼む、レイフォン」
握り返したその手はとても力強く、柔らかく、そしてまっすぐに感じられた
新しい都市での生活が、ここから回り始める
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