暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の十字架
〜It works together@〜
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「そうね、普段はお互いお仕事別だもんね」

ウルハ酒を飲み終えてグラスを下げてもらう

「なぁミラ」

「ん?」

「・・・エルフマンはまだ」

一瞬俺とミラの間の空気が重くなったのを感じた
そして一泊開けてからミラは口を開いた

「・・・まだ、駄目みたい、全身は」

やっぱり、駄目か。あの日自分の所為で妹を殺めてしまったトラウマはそうそう消えるものじゃないのはわかっているが・・・

「でも、少しずつよくはなってるよ?」

「そうか・・・ならよかった」

俺は席から立ちあがる

「悪い。今日はもう帰るな、ちょっと酔ったし」

列車の衝撃を食うといっても全て食える訳じゃない。長時間乗ればさすがに酔う
俺は吐き気を抑えながらミラに別れを言って帰ることにした・・・はずなんだが

「クルス、ご飯作ってあげるから今から私も行くね」

「いや、だいじょう・・ぶ・・・なんだが」

言いきる前に自分の荷物を取りに行ってしまった
仕方ない。今日はミラの手料理を堪能するとしよう





「ただいま。。。」

「おじゃましまーす」

木で造られた質素な家だが狭くはないし、中も別に汚くはない
壁にはこれまでクリアしてきたクエストが張り出され、逆の壁には親父をイメージして織ったタペストリーが飾られている

「クルスって自炊してるんだよね?」

「あぁ、親父が自分の食事は自分で創れって。親父の教えは大切にしなきゃだしな」

クスッとミラが笑う

「クルスってお父さん大好きなのね」

当たり前だ。俺に生きる術を与えてくれた大切な父親だ。まぁ、ドラゴンなんだが

「台所借りるわね」

そう言ってミラは台所に消えた。その間に俺は明日の用意と筋トレを済ませる
しかし、ミラが来ているのでいつものように魔法を連発するわけにもいかないので腕立て等で我慢した

「今日は何つくってくれんだ?」

良いにおいが鼻を刺激する

「今日はーミートローフ!」

成程。俺が作れん本格的な料理だな

「もうしばらくかかるからお風呂でも入っててー」

「わかった」

俺はミラに促され風呂へと向かった





「ふぅ――・・・」

冷水を一身に浴びる。俺は基本冷水派だ
特に理由はないが、幼少のころは川で体を洗うことが日課だったことが原因だろう
一通り全身を洗い、脱衣所で頭を乾かす。この時ほどナツの魔法を羨む時はない。だって楽じゃん

「よっと」

服に袖を通して食卓に戻るとすでにおいしそうな料理が並んでいた

「おぉー!いっぱい作ったな」

そう。かなりの量だった

「ちょと作りすぎたかな?」

「いや、大丈夫だ」


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