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弱者の足掻き
十二話 「蟲」
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 水面に突き出た異物。それは鏡月を破り、姿見の鏡に映る己を貫いて姿を晒す。
 向かい合わせ。鏡であることを忘れていないように見せるその姿。
 そこに浮かぶ顔。

 それは、覗き込む(いつき)と同じ顔をしていた。
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