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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-2 第5話
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っただけでもよしとするか……もはやこの指輪は抜け殻みたいなものだし)
ハルカは指輪を外し、魔法の道具袋の中に入れた。
(今夜も暑いな、いや、今夜は特に暑い。シャワーでも浴びてこようか)
(結局、細かいところまでは判らず終いってことか)

翌朝のラダトーム城の図書室で、ハルカはイアンに指輪のことを話した。
「そうか、やはり、勇者ロトには妻になるだろう女僧侶以外の仲間の1人は男賢者って事か」
「ええ。でも何で“戦士の指輪”なのかは判らなくて」
「そうだな。ま、“戦士”といっても、俺やお前みたいに鎧兜を身に付けて、力で戦う職業以外の意味も込められているだろうからな」
「僕はホイミとギラは使えますよ。後、もうすぐラリホーを覚えられそうです。眠気を誘うことには成功しましたので」
ちなみにハルカは岩山の洞窟でラリホーを試していた。
「あ、そう…」イアンはがっかりした様子で、そして苦笑いを浮かべた。
イアンは呪文は全く使えない戦士だったのである。もちろん、若い頃から。
「お前は魔力持ってたんだな…」
「あ、イアンさん、凹んでます?」
「ああ、ちょっとな……俺も魔法使いたかったからさ……」
イアンの表情があまりに哀愁漂っていたので、ハルカは思わず吹き出しそうになった……。

*おまけ
この回に出てきた妖精・豆人について
体が小さい。体調は10〜20cmぐらい。
ハルカがエルフと間違えたことから、エルフにそっくりである。
(ここで言うエルフは、人のような姿に尖がった耳が特徴のあれ。イメージとしてはDQ5に出てきたベラなどのような姿。ただし、この話に出てきたのは男の子である)
特別な人にしか見えない。ハルカには見えた(勇者ロトの血を引く者だからか)。
実は精霊ルビスが作り出した存在の一つ。
勇者ロト(レイル)がエルフの人間嫌いを激しく非難したのを見たことがきっかけ。勇者ロト(レイル)は基本、穏やかな性格で、悪人・悪者以外は非難することはなかった。
しかし、悪人・悪者でもないエルフに激しく非難していたのがルビスやエルフたちは衝撃を覚えたと言う(勇者ロト(レイル)にはかなり珍しい“嫌悪感”をエルフに抱いていたという。原因はおそらくノアニールの一件)。
なお、特別な人間にしか見えないのは、もともとのエルフ(妖精)が人間から離れて生活していることから、安易には人間には触れさせないようにするためである。
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