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剣の丘に花は咲く 
第八章 望郷の小夜曲
第四話 ハーフエルフの少女
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ようか。俺は衛宮士郎だ。まあ、士郎と呼んでくれ。セイバーの……その、まあ、友人というかその……何と言うか」
「くすくす……はい分かりましたシロウさん。それじゃあ次はわたしですね。わたしの名前はティファニアです。呼びにくかったらテファって呼んでください。みんなそう呼んでますから。それであの、さっきからアルトのことをセイバーと言っていますが、アルトのことだと何となく分かりますが? どうしてセイバーって言ってるんですか?」

 首を傾げてみせるティファニアに、士郎は蒼い空を見上げながら唸り声を上げると、目を細めふっと小さく笑みを浮かべた。

「まあ、二つ名みたいなものだな」
「二つ名? アルトの二つ名がセイバーですか……何だか納得です。剣を持ったアルトは凄く強いですから」

 こくこくと頷くティファニアに、士郎は訝しげな視線を向ける。

「ああそうだな。ん? 剣を持ったセイバーを見たことがあるのか?」
「あ、はい。少し機会がありまして」
「そうか。ま、それよりさっさと行くか。薪を持っていくということは、今から朝食を作るんだろ」
「あ、はいそうですけど、あ、わ、わたしが拾います」

 おずおずと顔を上げるティファニアに一つ頷いて見せると、士郎は地面に落ちた薪を拾い始める。気付いたティファニアが慌てて薪を拾おうとしたが、その時には既に士郎は薪を全て拾い終えていた。

「もう拾い終わったぞ。それより朝食がまだってなら、今日の朝食は俺が作ろう」
「え? エミヤさんって料理作れるんですか?」
「ああ、料理は俺の得意分野だ」

 薪を抱えた士郎が背を向け歩き始めると、ティファニアは慌てて後を追いかけ始めた。
 士郎に追いついたティファニアは、士郎の横を歩きながら、手持ち無沙汰になった手を身体の前でつつき合わせながら顔を傾ける。

「で、でもご迷惑じゃ」
「いや、料理をするのは趣味でもあるからな、まあ、どうしてもダメだと言うならせめて手伝いだけでもさせて欲しいんだが」
「そ、そんなっ。じゃ、じゃあ、お願いしても……いいですか? でも、量は多いですよ。子供たちの分も作りますし」
「量が多いのも慣れてるからな」
「でも」
「ふむ、こういったら納得してくれるかな?」
「え?」

 遠慮を見せるティファニアに、士郎はふむと一つ頷くと、ティファニアの顔の前に人差し指を立ててみせる。

「俺はあのセイバーのご飯を毎日作っていたことがあるぞ」
「―――……なら大丈夫ですね」

 

 


















「「「おかわりーっ!!」」」
「少しは落ち着け。おかわりならまだある。ほらジム、口元にパンくずが付いてるぞ」
「っ!? い、いいよシロウ! い、いいからさ
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