第八章 望郷の小夜曲
第四話 ハーフエルフの少女
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んな……わたしは……」
「君はハーフエルフだと聞いたんだが。成程、神秘的雰囲気も加わって、本当に綺麗だ」
「―――っえ? 知って、たん、ですか?」
士郎の言葉を聞いたティファニアが、呆然とした声を上げる。
士郎を見つめる瞳は、怯えと驚愕が入り混じっていた。
「ああ、セイバーに聞いたんだが。あ〜……と、もしかして何か不味かったか?」
ティファニアの様子に、士郎がまずかったかなと頭を手を当てながら顔を顰めてみせる。しかし、そんな士郎にティファニアは勢いよく顔と手を振ってみせる。
「い、いえっ! ち、違います! そんなことありません。た、ただ……本当に怖くはないんですか? わたし半分とは言えエルフなんですよ……こんな耳ですし」
首を少し傾けたティファニアが、その白すぎる首筋を見せながら、黄金色の髪を片手でかきあげてその特徴的な耳を士郎に見せる。
「ああ、全く怖くはないな。確かに尖っている耳は珍しいが、ふむ……怖いというよりも可愛いぞ」
「か、かわいいっ?!」
士郎の一言に、ティファニアのかきあげて見せていた白い首筋と耳が一気に真っ赤に染まる。
頭を下げ、身体を縮こませて戸惑う様子を見せるティファニアに、士郎は知らず知らず苦笑を浮かべながら手を伸ばしてしまう。
「ふあっ」
「俺は逆に自分が怖がられていたと思っていたんだが。話しかけようとする度に避けられていたからな」
ティファニアの頭を撫でながら士郎が問いかけると、ティファニアはおずおずと顔を上げ、その赤く染まった顔で士郎を見上げた。
「さ、最初は、そ、その……あ、アルトのことでちょっと、で、でもっ! それは誤解だってわかってその……だから、その怖くは……」
「ん? それじゃ、どうして俺を避けてたんだ?」
「そ、それはその……は、初めてだったから」
「初めて?」
ティファニアの頭を撫でながら、士郎が首を傾げると、ティファニアは小さな声で呟くように声を上げる。
「その、エミヤさんみたいな大人の男の人と話をするのが、だから、その、緊張してしまって……すみません」
「そうか、あ〜……そっか、それはよかった」
ティファニアの頭を撫でる手とは別の手を胸に当て、士郎は溜め息を吐く。
士郎の様子に、頭を撫でられながらティファニアが首を傾げてみせると、士郎はふっと小さく柔らかな笑みを浮かべる。
「実はな、嫌われているのかと思って少し落ち込んでいたんだ」
「そっ、そそ、そそそんなことないですっ!!」
ぶんぶんと首を振ってみせたティファニアは、真っ赤な顔で士郎に詰め寄っていく。真っ赤な顔で迫って来るティファニアの様子に目を見開いて驚く士郎だったが、直ぐに優しい笑みを浮かべる。
「そっか。なら
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