第二十章
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当に回して下さい。」
担当部署にはすぐに繋がった。
「こちらは、警視庁捜査1課です。最初にお名前を伺いましょうか。」
「その前に、貴方のお名前を伺いましょう。」
「榎本警部補です。」
「私は石田といいます。こうした電話は結構多いのですか。」
「ええ、その通りです。」
「昨晩、要町で銃撃事件がありましたでしょう。あの場に、私と榊原警部補がいたんです。」
「ほう。」
まだ信用していないようだ。
「パトカーが一台行方不明になった。そのパトカーは品川埠頭のコンテナ置き場で事故を起こし、乗員が病院に運ばれた。」
「そうです。」
これは今朝の新聞には載っていない。榎本警部補は一瞬緊張し受話器を握り直した。
「家族が病院に駆けつけると、乗員はまったく別人だった。そうでしょう。」
「おいおい、ちょっと、そっちの電話とって聞いてくれ、とんでもない情報だ。」
受話器を押さえたつもりなのだろうが、すべて聞こえていた。そうとう焦っている。石田は笑いを押し殺し、次の反応を待った。
「もしもし、もしもし、もう一度聞きます。パトカーの乗員が偽者だったと言うわけだね。あんたは、いや、石田さんはそのことを何で知っているの?」
「その前に、テープレコーダーは回っていますか。これから何度も電話するつもりです。ですから、別の番号を私専用に押さえておいて下さい。それとテープも忘れずに回して下さい。いいですね。」
「はいはい、分かりました。もう一度聞きますが、、、」
石田が途中で遮った。
「ええ、パトカー乗務員は偽者だった。本当の乗務員は別のところにいます。臼井巡査と、内田巡査部長です。」
「二人は何処にいるのです、生きているのですね。」
「ええ、生きています。その前に話しを整理しましょう。これから言うことは必ず裏をとってください。まず、金沢で牛田洋介君の捜索願が5月末に出ています。そして7月初めに三軒茶屋に住む小野寺晴美さんの捜索願が出ているはずです。二人は恋人同士でした。まず。このことの裏を取ってください。どのくらい時間かかりますか。」
「15分で十分です。」
「では掛け直します。私専用の電話番号とファックス番号を教えて下さい。」
電話をきると、車をマクドナルドのドライブスルーに滑り込ませた。既に午後一時半になろうとしている。小野寺に連絡が入るまで二時間半しかない。
次にコンビニの駐車場に移動した。今朝、石田は中野の自宅マンションに戻り、キャドで正確な図面を作っておいた。偽警官の話から推して例の開閉する床面は周りと見分けがつかないように出来ている。確か50センチ角のプレートを敷き詰めたような模様だった。
石田は記憶を頼りにその開閉口の正確な位置と大きさを描いた。敵は偽警官が臼田巡査達のミ
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