第七章
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な視線を投げかけてくる。ふつふつと湧き起こる憎悪と恨み、じっと耐えた月日が榊原を激情へと走らせた。面白い、やるならやってみろと心の中で叫んでいた。
榊原の顔に不敵な笑みが浮かぶ。駒田が捜査四課長になるのであればちょうど良い。何年か前、山口県警の不祥事で県警本部長が起訴された。キャリアが起訴されたのだ。その驚きと感動が蘇る。怒声が胸に響く。
『自分達は警察官を管理するだと。何が管理だ。現場を知らぬ者が、どうして管理なんか出来る。昇進試験なんてふざけるんじゃねえ。人としての実力や人間性を抜きにした評価がまかり通る。筆記試験で人間の何が分かるというのだ。』
榊原の罵詈雑言は続く。鬱積していた感情が捌け口を求めて奔流のように脳内を駆け巡る。猜疑心と不安を吹き飛ばすために、激情を野放しにするしかない。強い人間とは、自分の弱さを知っている人間のことだ。弱いからこそ強くなる必要があったのだ。
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